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膠原病はどんな検査でわかるの?血管炎で難病認定された当事者が語る

医師から説明を受ける男性

膠原病はどのような症状が出て、どのような検査によって診断されるのでしょうか?

膠原病は体を病原体などから守ってくれる免疫システムが誤作動を起こすことにより、自分の体を攻撃してしまう病気です。

 

「全身性自己免疫性疾患」とも呼ばれ、全身のあらゆる機能に障害をもたらします。診断の遅れによっては命に関わることもある怖い病気です。

芸能人で罹患されている方もいることから、どのような経緯で診断されるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、膠原病のひとつであり、指定難病である「多発血管炎性肉芽腫症」で闘病を続けるmasayaさんにお話を伺います。

masayaさんには、ご自身の体験を踏まえ、初期症状や検査内容、診断確定に至った経緯についてお話いただきます。

目次


  1. はじめに
  2. 膠原病とは何か?
  3. 私が体験した症状と初期サイン
  4. 膠原病と診断確定されるまでのみちのり
  5. 血管炎とは
  6. おかしいと思ったらいろいろな病院へ行きましょう
  7. 診断確定までに費用がかかる

はじめに

masayaさんのバストアップの写真

私は現在32歳、地方で派遣社員として働いています。
営業マンとして元気に働いていた2021年に、膠原病のひとつである多発血管炎性肉芽腫症と診断されました。

それまでは大きな病気もなく、健康だけが取り柄でしたし、膠原病と言う名称も聞いたことがある程度で、まさか自分がなるとは思ってもいませんでしたので、医師からこの病名を告げられた時には、聞いたこともない病気で強い不安を感じました。

そしてそこから生活が一変してしまったのです。
今は病気と闘いながら、「自分の経験が誰かの助けになれば…」と思い、YouTubeを通して情報を発信しています。
私の経験したことが多くの方の早期診断や闘病の助けになれば嬉しいと思っています。

膠原病とは何か?

膠原病とは

膠原病というのは簡単にいうと、「自分自身を守るはずの免疫が、暴走して自分の体を攻撃してしまう病気」のことです。そして膠原病は病名ではなくて、病気群の総称です。
関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの病名は、お聞きになったことがある方も多いのではないでしょうか。

私が患っている多発血管炎性肉芽腫症も膠原病のひとつです。
この病気の患者数は日本において3,000人程度(難病情報センター/令和3年)いると言われています。関節リウマチの患者数が70万人と言われていますので、非常にまれな疾患です。
膠原病のほとんどが治療の難しい「難病」と呼ばれていて、発症の原因も解明されていないものが多いようです。

私が体験した症状と初期サイン

GPAの初期症状

最初に症状が出始めたのは2021年の3月下旬でした。
私は子どもの頃から鼻の通りが悪く、成人になってからも鼻炎で毎年耳鼻科を受診していました。
この時も同じように耳鼻科で薬をもらって様子を見ていましたが、鼻の症状はまったく治まりませんでした。さらには突如38℃の高熱とけん怠感に襲われました。

今思えばいつもと違う状態でしたが、これまでも鼻炎の影響で熱っぽくなることもあったため、この時は「今年はいつもより鼻の調子が悪いな」程度にしか考えていませんでした。
耳鼻科の医師からも、アレルギー性鼻炎と副鼻腔炎を発症していると言われたので、他の病気を疑うことはありませんでした。

膠原病と診断確定されるまでのみちのり

ソファーで熱を測る男性

しかし、そこから徐々に他の症状が現れ始めたのです。

膠原病を疑うきっかけ

まず、体温は36℃~38℃の間を数時間おきに行ったり来たりして安定しませんでした。また、仕事中は問題ないのですが、出勤前や帰宅後はひどい寒気が襲い、体が震えていました。
この頃には鼻が両方塞がって鼻呼吸ができず、横になると鼻が鳴ってしまいました。そのため、睡眠もまともに取ることができませんでした。

あまりにもいつもと違う症状であったため、この状況を見かねた妻から「鼻以外にも原因があるかもしれないから、内科に行ってみたら?」と言われ、他の科を受診することにしました。

内科で血液検査を行った結果、体の炎症状態を示すCRPの値が10mgになっていることがわかりました。異常と判断される数値の更に10倍以上の値です(0.30mg以下が基準範囲)。
内科の医師からは「鼻の病気ではなく、細菌感染の可能性もあるため、もう一度受診するように!」と言われました。

ただ、この事態になっても私自身は「自分は鼻炎がひどくなっただけ、大きな病気じゃない」と信じていたのです。
誤った判断をしていた私は、再度耳鼻科を受診することにしました。耳鼻科の先生に内科での血液検査の結果をお見せすると「鼻の病気でここまでの炎症値は出ないよ。もう入院していないとおかしいくらい。早く内科で再検査したほうがいい」と言われました。

この段階で、やっと自分の容体がおかしいことに気付きました。
内科で再検査を行うと、CRPの値は15mgまで上昇していました。早急に紹介状を書いていただき、近くの総合病院へ行くことになりました。
この時の内科の医師いわく、「緊急入院レベル」とのことでした。

診断確定に至った検査とは

総合病院を受診した当日は午前中から多くの検査を行いました。
発熱があったため最初にコロナの検査を行いました。鼻の粘膜を取ろうとしたところ大量出血し、1時間くらい自分の車の中で放心状態になっていました。

コロナの陰性が確認されると血液検査、鼻の状態検査、CT検査と続きます。
通常CT検査は待ち時間が必要になりますが、緊急性が高いということから優先的に受けさせていただきました。
人生初の大がかりな検査に、「このまま死んでしまうのかな?」と強い不安を感じていました。

結局、全ての検査が終わるまでに8時間くらいかかりました。
その日は「家に帰ってもらう訳にはいかないから、このまま入院してもらいます」と医師に言われ、急遽病室へ向かうことになりました。

そこから日々様々な検査を行い、入院から1週間後に「多発血管炎性肉芽腫症」と診断されました。
通常はこの他に生検と呼ばれる、体の組織の一部を採取する検査をするようです。私の場合は、「多発血管炎性肉芽腫症で間違いないのではないか」ということで生検は行いませんでした。

血液検査にて注視すべき項目

膠原病の血液検査(例)

私は血液検査の数値に異常が検出されたことがきっかけで、多発血管炎性肉芽腫症と診断されました。
このように膠原病には、診断にあたっていくつかのポイントがあります。

ひとつが上述したCRPです。CRPは細菌・ウィルスに感染する、がんなどにより組織の傷害がおきる、免疫反応障害などで炎症が発生したときなどに血液中に増加する急性反応物質の1つです。
この値により、細菌・ウィルス感染、炎症、がんはないかを調べることができます。0.30mg以下が基準範囲で、0.31~0.99mgは要注意です。1.00mg以上の数値があると異常と診断されます。

そして抗核抗体。抗核抗体とは身体をつくる細胞の中心の核の構成成分を抗原とする自己抗体の総称です。膠原病患者の多くは、この値が陽性になると言われています。

また、多発血管炎性肉芽腫症の場合はANCAの数値が陽性かどうかも判断の対象です。抗好中球細胞質抗体(ANCA)は、白血球の一種である好中球の細胞質内顆粒とリソソームを対応抗原とする自己抗体の総称です。

ただ、これらの数値が高い、陽性だからといって、必ずしも膠原病と診断されるわけではありません。
健康な方でも同じような数値になったり、別の病気で同じ結果になったりすることもあります。膠原病の診断確定までには様々な種類の検査を行って、他の病気である可能性も含めて検討されます。
その過程において、様々な診療科の医師との協力も必要になってくるので、簡単には診断されないのです。

血管炎とは

血管

膠原病の中に、血管炎という病気群があります。私が罹っている多発血管炎性肉芽腫症もこの血管炎の1つです。
膠原病の中でも、特に血管への炎症が見られる病気です。血管炎は、血管の太さによっていくつかの種類に分けられるのですが、多発血管炎性肉芽腫症はANCA関連血管炎(血液中の白血球に炎症を起こす)に分類されます。

このANCA関連血管炎には、次のように3つの病気があります。

顕微鏡的多発血管炎(MPA)
ANCA関連血管炎の内、日本で最も患者数の多い疾患。腎臓、肺、神経の症状が現れやすい。

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)
体内の好酸球が増加して起こることが多い。神経や皮膚、消化器、心臓、肺に症状が現れやすいとされる。

多発血管炎性肉芽腫症(GPA)
ANCA関連血管炎の中では日本で一番患者数の少ない疾患。①目・鼻・耳・のど ②肺 ③腎臓 の順に症状が現れることが多い。

多発血管炎性肉芽腫症とは

多発血管炎性肉芽腫症は指定難病として国に認定されている病気です。現在の医療では完治することが難しい病気で、継続的な治療と定期的な検査が必要です。
この病気の原因は分かっていません。遺伝との関連性も分かりません。男女比や年齢による偏りもあまりないとされています。

主な症状は、発熱、食欲不振、けん怠感、体重減少、鼻血、難聴、視力低下、眼充血、血痰、咳、血尿、発疹、関節痛などです。
私もほとんどの症状が発症から1か月以内に現れました。特に鼻の症状は悪く、鼻をかむなどの動作で鼻血が出ることもあります。

治療法は?

適切な治療を続けていれば多くの人が寛解状態になると言われていますが、治療に使われる薬の服用で様々な副作用が出てきます。

多発血管炎性肉芽腫症の治療には、ステロイドの服用が効果的です。私の場合も、ステロイドを服用したら驚くほどすぐに症状が治まったので、とても治療効果の高い薬と言えるでしょう。
しかしながら、強い副作用もあります。治療中に悩まされる症状の多くがステロイドの副作用だと言っても言い過ぎではありません。

例えば不眠。私の場合、夜中の3時くらいに急に目が覚めて、そこからは一切眠れなくなりました。ステロイドに覚醒作用があるからです。
その他にも、顔がむくんで丸くなるムーンフェイス、骨粗しょう症や糖尿病の危険性が高まるなど、挙げればきりがありません。

血管炎の治療は、病気そのものの症状と、ステロイドの副作用の2つを気にしながら慎重に進めていかなければならないので、本当に大変なのです。

寛解とは

膠原病は完治しませんが、病気の早期発見・適切な治療により症状が落ち着いた状態になる可能性があります。
これを「寛解」と呼びます。

寛解の維持には継続的かつ適切な治療が必要です。もし治療を中断すると、症状が悪化して「再燃」という状態になってしまいます。私は今のところ無事に寛解を維持していて、多少の制限はありますが日常生活を送ることができています。

情報収集の難しさ

膠原病の中でも希少疾患である血管炎は、情報収集が非常に難しいと言えます。
インターネットで検索してみると、病気に関する論文は出てきますが、患者さんの闘病記録はほとんど見つかりません。
そのため、日常生活において何をどのように気を付けたら良いのか、今でも手探りです。

それに、仮に多発血管炎性肉芽腫症の患者さんの情報があったとしても、同じ症状とは限りません。私は鼻から症状が出ましたが、関節や臓器から症状が始まった方もいます。
患者さんが100人いれば、100通りの症状がある病気です。自分の症状にあった対策を見つけ出すことが本当に難しいのです。

一方、幸いなことは「膠原病」という病気群は、病名は異なっていたとしても、似たような治療や経過を辿るケースがあることです。
したがって、病名の異なる全身性エリテマトーデスや関節リウマチの患者さんが同じ悩みを抱えているケースもあります。

私のYouTubeチャンネルでは、そのような血管炎以外の患者さんのお話を動画にして公開しています。もし参考になるようでしたらご覧になってください。
masayaのおしゃべり喫茶 - YouTube

おかしいと思ったらいろいろな病院へ行きましょう

血液検査を受ける男性

最後に、膠原病の早期発見について一番大切なことをお伝えします。それは「おかしいと思ったら、色々な病院へ行きましょう!」ということです。

私は血管炎の症状が出始めた頃、耳鼻科に行っていました。それでも症状が治まらず、どうにもならなくなってから内科を受診し、そこからは比較的早期に病名が確定しました。
もしあの時、鼻炎と思いこんで、ずっと耳鼻科に通院していたら…。今の生活はなかったと思います。

医師ですら、今現れている症状と膠原病を結びつけることは非常に困難だということです。
みなさんの身体に何らかの異常な症状が表れ、原因もわからず、いつもより症状が長引いて治らないときは、「膠原病」という可能性も視野に入れて欲しいと思います。

なぜならば、私のようにこれまで健康であっても、突然膠原病にかかってしまうことがあるからです。もし、不安がある場合はいろいろな病院で検査をしてもらうことが大切です。

私の話を頭の片隅のどこかで覚えておいてもらえたならば、膠原病の診断が早まり、つらい時間を短くすることができるのではないかなと思います。
これが膠原病の患者としてお伝えしたい、一番の教訓です。

診断確定までに費用がかかる

外来診療費

今回は多発血管炎性肉芽腫症で闘病しているmasayaさんにお話を伺いました。

膠原病などの難病は、専門医でなければ診断することが難しく、病名確定までに大変な時間がかかることがわかりました。1つ2つの診療科では原因が特定できないことも多くあるようです。
高熱が続くなどの異変があった際は、原因が特定できるまで徹底的に調べてもらうことが大切です。

そして、治療費に言及するならば、健康保険の高額療養費制度は1回の外来の診察費が2万1,000円に満たない場合は合算されないということです。
したがって、仮に15,000円の検査費用がかかる診察を5つの病院で行い、その後に入院となった場合、75,000円は高額療養費の計算に加算されないことになります。

このように難病の場合は、診断確定までに大きなお金がかかることにも注意したいところです。これはがんの診断確定においても同じだと言えます。
これら大きな疾患に罹った場合の金銭的な不安を取り除くために、民間の医療保険が役立つ場面は多くあります。

もし、ご不安を感じるようであれば一度ソナミラのコンシェルジュに相談してみてはいかがでしょうか。相談は無料です。

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