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2023年は熱中症患者が増加傾向に⁉早めから行うべき暑さ対策を解説

熱中症による死亡者数が年々、増加傾向にあるのをご存知でしょうか。熱中症は、高温多湿な環境にいることで体内に熱がこもり、体温調節がうまくできなくなった状態を指します。軽い頭痛や吐き気のみで済むこともあれば、命に関わることもあります。今回は、熱中症にならないための早期の暑さ対策について見ていきましょう。

目次


  1. 2023年5月は熱中症患者が増加傾向に
  2. みんなが行っている暑さ対策は?
  3. 早めの熱中症対策では「暑熱順化」を心がけて
  4. 2023年は街ぐるみでの対策も

2023年5月は熱中症患者が増加傾向に

2023年5月は熱中症患者が増加傾向に

2023年は、熱中症の患者が大幅にふえる可能性があります。なぜなら、5月時点ですでに昨年の同月と比べて倍以上の患者が救急搬送されているためです。

2023年5月は前年比で搬送者数が急増

総務省消防庁が公表したデータによると、2022年5月1日~5月28日までに熱中症で救急搬送された患者は全国で1,042人でした。

一方で2023年5月1日~5月28日までのデータを見ると、3,441人もの方が救急搬送されていることがわかります。昨年と比べると、約3.3倍になっているのです。

2022年も前年比で搬送者数は増加している

2022年の5月~9月に熱中症で搬送された方の数は71,029人。2021年に搬送されたのは47,877人で、2022年も前年より搬送者数が増加しています。

株式会社ライボが2022年6月29日~7月4日の期間に男女704名を対象に行ったアンケートの結果によると、熱中症になったことがある人うち、屋内で熱中症になった人は55.4%と過半数を占めていました。2022年はコロナ禍でなるべく自宅にいた方が多かったにもかかわらず、搬送者数が増加していたわけです。

熱中症は例年7~8月がピーク

総務省のデータによると、2022年の熱中症の救急搬送者数は次のようになっています。

  • 5月…2,668人
  • 6月…15,969人
  • 7月…27,209人
  • 8月…20,252人
  • 9月…4,931人

この通り、熱中症の患者数は7月がピークです。気温が高い時期は常に熱中症対策が必要ですが、とくに7月と8月は熱中症を発症しやすくなります。そのため、これらの時期は暑さ対策が必須だと言えるでしょう。

みんなが行っている暑さ対策は?

みんなが行っている暑さ対策は?

熱中症にならないように水分をこまめに摂ったり、涼しい場所で過ごしたりなど、各々で対策している方が多いでしょう。では、多くの人が行っている対策にはどんなものがあるのでしょうか。

株式会社タニタが行った「熱中症に関する意識・実態調査 2022」によると、暑い時期に熱中症対策を行っていると答えたのは80.3%。

具体的な対策として、「水分をこまめにとる」が83.1%、「涼しい服装をこころがける」が48.9%、「冷却グッズを使用」が45.8%、「外出時は日陰を歩くようにする」が40.7%、「暑いときはこまめに休憩をとる」が40.6%となっていました。

それぞれができる範囲で対策をしていることがわかります。

早めの熱中症対策では「暑熱順化」を心がけて

早めの熱中症対策では「暑熱順化」を心がけて

熱中症の危険性が極めて高いときに発表される「熱中症警戒アラート」は、2020年から関東甲信地方で始まり、現在は全国を対象に運用されています。

2023年は4月26日から運用開始。気温や湿度などをもとに「暑さ指数」を導き出し、これをもとに熱中症の危険性が高いと予測されたときにアラームを発します。

熱中症警戒アラートを参考に、次のような対策を行いましょう。
 

  • 暑熱順化(しょねつじゅんか)を心がける
  • 不要不急の外出を避ける
  • のどの乾きを感じる前に水分補給をする
  • 無理に運動を行わない
  • エアコンを適切に使用する
     

暑熱順化とは、体を暑さに慣れさせることです。本格的に気温が高くなる前から暑熱順化を行うことで、暑さに負けない体作りを目指します。地域やその年の気温によっても異なりますが、4月~5月頃から外でウォーキングやジョギングをしたりして、体を暑さに慣れさせておくようにしましょう。

2023年は街ぐるみでの対策も

2023年は街ぐるみでの対策も

政府は熱中症で亡くなる方を2030年までに半減させることを目標に掲げています。

前述の通り、2023年は熱中症の患者数が増加する恐れがあることから、公民館や図書館など冷房の効いた場所を「クーリングシェルター」として開放することも発表されました。

熱中症は、命を奪うこともあるおそろしい病気です。熱中症警戒アラートなどを参考にしながら適切な暑さ対策をし、熱中症にならないように普段から心がけましょう。

▼参考資料

  • 熱中症情報(総務省消防庁)
  • 熱中症に関する意識・実態調査 2022(株式会社タニタ)
  • 熱中症警戒アラート(環境省)

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