資産は7,000万円以上!“ゆるFIRE”を実現したちーさんの暮らしと資産運用のヒケツ
年収300万円の会社員だったところから、1,000万円を元手に投資と副業で資産をふやし、 30代で“ゆるFIRE”(サイドFIRE)を達成。7,000万円以上の資産を形成しているちーさん。現在は好きな仕事をゆるくしながら、資産運用収益でセミリタイア生活を楽しんでいます。ゆるFIREに至った経緯や副業、支出の話を聞いた前編に続き、後編ではちーさんが実践するミニマルライフや資産運用について詳しく伺いました。
▼年収300万円の会社員から卒業!本業と副業、資産運用で資産形成をしたちーさんの考え方とは?気になる方は前編へ!
ゴミ屋敷での生活からミニマルライフにシフト
――ちーさんは、月に12万円程度がご自身にとって最も心地良い支出額だとおっしゃってましたよね。支出を抑えるには生活の仕方が大事だと思います。ちーさんはどんな生活をされているのでしょうか。
ちー:今はミニマルライフを心がけています。お話ししたように、20代の頃は仕事が多忙で自宅がゴミ屋敷みたいになっていましたが(笑)。
――そうでしたね。ちょっと想像がつきませんが、どうやってゴミ屋敷の状態から抜け出したのでしょうか?
ちー:きっかけは、彼氏ができたことでした。ベッドの下からペットボトルが出てくるようなゴミ屋敷だと彼氏を呼べないので、そのタイミングで一気に片付けたんです。部屋がスッキリしたのがすごく気持ち良くて、それからミニマルライフを目指すようになりました。
意識して見てみると、捨てられるものってたくさんあるんですよ。たとえばテープとか、同じような文房具が2つも3つもあったり、ラックの奥にもう着ない服がたくさんかかっていたり、大学時代の勉強道具とか、入社したときの資料が残っていたり…。あとは来客用の布団とか、ほとんど使わないものも捨てました。
――一気に片付けのスイッチが入ったんですね。その後、結局またものがふえて元通りの状態にはならなかったのでしょうか?
ちー:リバウンドはしませんでした。というのも、ものの総量を半分くらいまで減らしても、とくに困らなかったんです。捨てたものはいらないものだった、ということですね。それと、私は自分にとって本当に必要なものと好きなものだけに囲まれて過ごしたいという想いがあって。いらないものや好きじゃないものが目に入ってほしくないので、自然とものを厳選するようになりました。
――ものを減らしたり、ふやさないコツはありますか?
ちー:ルンバを導入するのがおすすめです。ルンバが掃除しやすいように、床にものを置かなくなりますから。床にものを置かないというのは、自宅をきれいに保つうえでとても重要なことなんです。
あとは、収納家具を減らすのもいいですね。家具があるとそのぶんものがふえるので。それと、ハンガーの数を決めて、服はすべてハンガーにかけるようにするのもおすすめですよ。
資産運用は早く始めるほど有利
――ちーさんは、本業と副業でお金を稼ぎ、ミニマルライフでためて、資産運用でふやしてきたとのこと。資産運用については、どのように始めたのでしょうか。
ちー:実は、すでに学生の頃から少しずつ投資を始めていました。なので、ゆるFIREのために始めたわけではなく、その頃からの延長で続けています。
といっても、投資の知識をすごくもっていたというわけではないですよ。私が学生の頃はインターネットビジネスがトレンドで、私も何かしたいと思って始めたのがインターネットの株取引でした。当時は、「インターネットで株取引ができる時代が来た!」と盛り上がっていたんです。
――そうだったんですね。ただ、株取引は損をすることもありますよね。
ちー:はい。私もリーマンショックを経験して、資産を大きく減らしたこともありました。不幸中の幸いだったのは、当時まだそこまで大きな金額を投資していなかったことです。リーマンショック後は、30代に入って収入がふえたこともあり、投資に回す金額をふやしていきました。
具体的には、2010年頃からは生活防衛資金として普通預金に100万円を残して、あとはぜんぶ投資に回しています。アベノミクスなどの恩恵もあって、そこから一気に資産がふえたんです。
――そして、30代前半で3,000万円をつくって、現在は7,000万円を達成されたと。
ちー:思い返すと、一番時間がかかったのは1,000万円を貯めるまででした。そこから投資額がふえるにつれて、資産がふえるスピードもどんどん早くなっていきました。
――徐々に投資額をふやしていったことがポイントなのですね。
ちー:加えて、早くから投資を始めることが大事ですね。早いほど、時間の経過とともに複利(※1)で資産がふえていきますから。
(※1)元本についた利息に対して、またさらに利息が付くこと。
数々の失敗を経てたどり着いた投資のルール
――今までどんな投資にトライしたのか、詳しく教えていただけますか?
ちー:最初は何もわからなかったので、個別株を買っていました。初めて買ったのは大手ハンバーガーチェーンの株で、優待でハンバーガーが食べられたらいいな、という理由でした(笑)。
あとは、ITブームだったのでハイテク株(※2)を買ったり、デイトレーダーのように1日で何度も株を売り買いしたり。そのあとは、一時期流行っていた分配型の投資信託(※3)を始めたり、ブラジルがこれから来ると聞いてブラジル株を買ったりもしました。よくわからないままいろいろと手を出したので、結局どれも損をして終わりましたね。そういった経験を経て、大型でかつ配当が安定した日米個別株への投資へ移り、数年前からは半自動でできるインデックス型投資信託(※4)の積立も活用しています。
- (※2)高度な先端技術を持つ企業の株式を指す。
- (※3)毎月決算が行われ、分配金を毎月支払う投資信託を指す。運用状況により、分配金が支払われないことも。
- (※4)市場と同じ値動きを目指す投資信託を指す。
――失敗も経験されたうえで今があるのですね。そうした経験をもとに、ご自身のなかで投資のルールなどはもっていらっしゃるのでしょうか。
ちー:投資の格言としてよく言われる「相場に居続けること」をポリシーにしています。投資がうまくいかないと、投資自体をやめたくなる時期があります。私で言えば、リーマンショックで資産が半減したときはショックでした。でも、未来を信じて投資を続けたら、一旦は下がった株価がゆるやかに上がっていった、という経験をしました。
――何事も指針があると長く続けられますよね。最後に、資産形成をしたい人、している人に向けてアドバイスをお願いします。
ちー:投資で資産をふやそうと考える人が多いと思います。ですが、投資は元手がないと何もできないのが現実です。なので、まずはお金を稼ぐことから始めて、次にそのお金をためてください。資金ができてから、投資でふやすことを考えましょう。この順番を守ることが重要です。
――資産形成に近道や裏技はないということですね。
ちー:そうですね。投資で一発逆転を夢見る人もいますが、それができるのは一部の天才か運が良かった人だけ。真似しようにも再現性はほとんどないので、こつこつやれることからやって、資産形成をしていきましょう。
- 取材・文:山田井ユウキ
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