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雇用保険とは|いつから、いくらもらえる?

雇用保険

会社で働く人のほとんどが加入している雇用保険。無意識に保険料を納めている人も多いはず。仕組みを理解しておけば、万が一失業した際に大きな支えとなるでしょう。

目次


  1. 雇用保険とは?
  2. 雇用保険(失業手当)はいくらもらえる?シミュレーションしてみよう
  3. 雇用保険(失業手当)はいつからもらえる?手続きの流れをチェック
  4. 雇用保険(失業手当)に関する注意点
  5. 失業保険の給付条件は個人の状況によって異なる

雇用保険とは?

雇用保険とは?

雇用保険は、労働者が失業した時の生活保障や、再就職支援を目的とした制度です。従業員を一人でも雇用している事業者に対して、加入が義務付けられています。また、雇用保険は医療(健康)、年金、介護などと並ぶ社会保険の一つです。

雇用保険の加入条件

雇用保険の加入条件は次の通りです。

  • 一週間の所定労働時間が20時間以上であること
  • 31日以上の雇用見込みがあること

正社員やパート・アルバイトなど、雇用形態にかかわらず適用されます。

ただし、上記の条件を満たしていても、次のような条件に該当する人は雇用保険の対象とはなりません。

  • 法人(株式会社、有限会社など)の代表者や役員
  • 個人事業主
  • 家事使用人
  • 学校教育法第1条に定義される学校の学生または生徒(いわゆる昼間学生)

など。

雇用保険の給付種類

雇用保険=失業保険といったイメージを持っている人は多いかもしれません。しかし、実際に雇用保険制度から給付される内容は多岐にわたります。

代表的な給付には、次のようなものがあります。

教育訓練給付

厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講し修了すると、受講料の一部が支給される制度

育児休業給付

原則として1歳未満の子どもを育てるために休業する人に対して、休業期間中、休業前賃金のおおよそ67%(育児休業開始から181日目以降は50%)が支給される制度

高年齢雇用継続給付

5年以上の雇用保険の被保険者期間を有する60歳以上65歳未満の人が、60歳以降も働き続ける場合に、60歳時点の賃金と比較して75%未満となった場合に、賃金の低下率に応じた給付率(最大15%)が支給される制度

介護休業給付

家族の介護のために介護休業を取得した人に対して、休業前賃金のおおよそ67%が3か月間支給される制度

雇用保険(失業手当)はいくらもらえる?シミュレーションしてみよう

雇用保険(失業手当)はいくらもらえる?シミュレーションしてみよう

雇用保険の受給額は、失業理由やこれまでの勤続年数によっても大きく変わります。万が一に備えて、実際に失業した際にどのくらいの給付が受けられるのか、シミュレーションしておくことも大切です。

STEP1:給付日数を確認する

失業保険の給付日数は、給付を受けるときの年齢や雇用保険の被保険者期間、失業理由などによって大きく異なります。

倒産や解雇などやむを得ない理由で退職をした場合の給付日数は次の通りです。

 

雇用保険の被保険者であった期間

1年未満

1年以上

5年未満

5年以上

10年未満

10年以上

20年未満

20年以上

離職時の

年齢

30歳未満 90日 90日 120日 180日

30歳以上

35歳未満

90日 120日 180日 210日 240日

35歳以上

45歳未満

90日 150日 180日 240日 270日

45歳以上

60歳未満

90日 180日 240日 270日 330日

60歳以上

65歳未満

90日 150日 180日 210日 240日

出典:ハローワークインターネットサービス(厚生労働省)「よくあるご質問(雇用保険について)」

自己都合での退職の場合、給付日数は次の通りです。雇用保険の被保険者期間が1年未満の場合は支給されません。

雇用保険の被保険者であった期間

10年未満 10年以上 20年未満 20年以上
90日 120日 150日

出典:ハローワークインターネットサービス(厚生労働省)「基本手当の所定給付日数」

なお、障がいや社会的事情などにより就職が困難とみなされた場合には、150〜360日間、給付を受けられます。

STEP2:基本手当日額を計算する

基本手当日額は、賃金日額に一定の給付率を掛け合わせることで、求められます。賃金日額とは、離職前の6か月間に支払われた給与(ボーナスは除く)から算出した1日あたりの賃金額です。給付率は離職時の年齢と賃金日額に応じて次のように決められています。

離職時の年齢が60歳未満の場合

賃金日額 給付率
2,657円以上 5,030円未満 80%
5,030円以上 12,380円以下 50~80%
12,380円超 50%

出典:厚生労働省「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ」

離職時の年齢が60〜64歳の場合

賃金日額 給付率
2,657円以上 5,030円未満 80%
5,030円以上 11,120円以下 45~80%
11,120円超 45%

出典:厚生労働省「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ」

ただし、基本手当日額には次のような上限があるため注意しましょう。

離職時の年齢 基本手当日額の上限
29歳以下 6,835円
30~44歳 7,595円
45~59歳 8,355円
60~64歳 7,177円

出典:厚生労働省「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ」

STEP3:受給総額を算出する

STEP1で確認した給付日数に、STEP2で求めた基本手当日額を掛け合わせることで、失業手当の受給総額を算出できます。

 

ここでは、月収45万円の35歳会社員の人が、10年間勤めた会社を自己都合退職したケースを考えてみましょう。

給付日数:120日

基本手当日額:1.5万円(賃金日額)×50%(給付率)=7,500円

受給総額:120日×7,500円=90万円となります。

雇用保険(失業手当)はいつからもらえる?手続きの流れをチェック

雇用保険(失業手当)はいつからもらえる?手続きの流れをチェック

失業手当は退職してすぐに受給できるわけではありません。いくつかのステップをクリアする必要があるため、慣れないと戸惑ってしまうこともあるでしょう。万が一の際にスムーズに給付を受けられるよう、手続きの流れを確認しておくことが大切です。

退職した会社から離職票を受け取る

一般的に雇用保険被保険者離職票のことを「離職票」と呼びます。離職票はハローワークへの提出が必要です。離職票に記載されている内容に基づいて失業手当の受給資格が決定されます。多くの場合、離職票の発行には10日程度の時間がかかるため、早めに発行を依頼しておきましょう。

ハローワークに申し込み受給資格が決定される

離職票を含めた必要書類を準備し、ハローワークで求職の申し込みをします。

申し込みに必要な持ち物は以下の通りです。

  • 離職票
  • 個人番号確認書類
  • 本人確認書類
  • 写真
  • 本人名義の預金通帳やキャッシュカード

手続き完了後、失業手当の受給資格が決定されます。

待機期間を経て説明会に参加する

受給資格の決定日から7日間の「待機期間」を経て、雇用保険受給者初回説明会に参加します。説明会に参加すると、雇用保険受給資格者証や失業認定申告書が渡され、第1回目の失業認定日が知らされます。

失業認定を受けて雇用保険(失業手当)が給付される

失業保険を受給するためには、原則として、失業認定日までの期間中に2回以上の求職活動の実績が必要です。求職活動の実績としては、求人への応募やハローワークが主宰するセミナーや講習の受講などが当てはまります。単に求人情報を閲覧しただけでは、求職活動をしたとはみなされません。失業保険を継続して受給するためには、4週間に1度失業認定を受ける必要があります。

雇用保険(失業手当)に関する注意点

雇用保険(失業手当)に関する注意点

雇用保険を受給する際にはいくつか注意しなければならないポイントがあります。

自己都合退職の場合は給付制限がある

自己都合退職の場合は、7日の待機期間に加えて、一定期間は失業手当が給付されません。給付制限期間は、2か月間となっています。

失業手当を受給すると加入期間がリセットされる

失業手当を受け取るためには、離職前の2年間に被保険者期間が12か月以上あることが必要です。ただし、一度失業手当を受け取ると、この期間がリセットされてしまいます。そのため、一度失業手当を受け取ったあとに、再就職し、すぐに退職した場合は、失業手当てを受給できない可能性があるため注意しましょう。

失業手当の受給期間中に収入を得た場合は給付が停止する可能性がある

失業手当の受給期間中にアルバイトやパートなどによって、収入を得た場合は、給付が停止されたり、減額されたりすることがあるため注意しましょう。申告せずに失業手当を受給した場合は、不正受給に該当してしまいます。不正受給した金額の3倍の金額を返還しなければなりません。

失業保険の給付条件は個人の状況によって異なる

失業保険の給付条件は個人の状況によって異なる

雇用保険は失業したときや介護が必要になったときなど、幅広い場面で役立つ制度です。ただし、失業保険を受給できるタイミングや受給金額は、離職理由や年齢、年収など、さまざまな要素によって決定されます。この記事を参考にしながら、自分の場合はいつ・どのような給付が受けられるのか、手続きの流れも合わせて確認しておきましょう。

▼参考資料

  • 雇用保険制度(厚生労働省)
  • 教育訓練給付制度(厚生労働省)
  • ハローワークインターネットサービス(厚生労働省)

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