最近の物価高で「節約志向高まった」人は49.4% 光熱・水道費や食費を中心に節約
物価高が続く中で、財布のひもを締めている方も多いのではないでしょうか。節約志向の実態と外食での節約行動について、リクルートの調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」がアンケートしたところ、「最近の物価高で節約志向が高まった」という回答が49.4%に上りました。特に節約を意識している出費の上位は、「光熱・水道費」「外食の費用」「内食の費用(自炊の食材等の費用)」でした。
「最近の物価高で節約を意識」 40代以上の女性では過半数
調査は2023年1月、首都圏、関西圏、東海圏に住む20~69歳の男女を対象にインターネット上で行われ、9,680件の有効回答を集計しました。
最近の物価高での節約意識を5つの選択肢で尋ねたところ、「物価高の前から意識し、今はもっと意識している」「物価高の前は意識していないが、今は意識している」のいずれかを選択した「最近の物価高で節約志向が高まった人」は、計49.4%でした。
節約志向が高まった人を性別・年代別で見ると、40代以上の女性では半数を超え、その割合が最も高いのは50代女性(計52.9%)でした。逆に、30代男性では割合が最も低くなりました(計46.7%)。性別や年代で多少の違いはみられるものの、物価高が幅広く生活に影響を及ぼしている現状がうかがえます。
特に節約を意識している出費 トップは「光熱・水道費」48.9%
現在、特に節約を意識している出費を尋ねた結果、1位は「光熱・水道費」で48.9%、2位は「外食の費用」で40.4%、3位は「内食の費用(自炊の食材等の費用)」で39.0%、4位は「中食(※)の費用」で30.6%でした。ただし、「外食」「中食」「内食」のいずれかの費用をあげた「食費・計」は62.9%で、物価高が食産業に大きな影響を与えていることがわかりました。
(※「中食」とは、惣菜店やコンビニエンスストア、スーパーなどでお弁当や惣菜などを購入したり、外食店のデリバリーなどを利用したりして、家庭外で商業的に調理・加工されたものを購入して食べる形態の食事を指します)
性別・年代別では、50・60代男女は「光熱・水道費」での節約志向が高めでした。「内食の費用」の節約志向は、30~50代女性で高い一方、40代以上の男性は低めでした。調査では「日常的に料理をするかどうかによる差が大きいとも考えられる」と分析しています。
外食での節約対象は「夕食」が最多 外食の回数を減らす人が83.2%
現在特に節約を意識している出費で「外食」と回答した人に、具体的な節約対象を尋ねたところ、節約を実行している食事の種別では「夕食」が最多の79.3%でした。以下、「昼食」が56.9%、「喫茶」が36.5%、「飲酒」が36.3%でした。
また、外食の節約を意識している人に、具体的な節約方法を尋ねたところ、外食の「回数」を減らす人が83.2%で、「単価」を減らす人(49.9%)や「(注文の)数量」を減らす人(23.5%)よりも割合が高くなりました。性別・年代別では、30・40代男性は、「回数」で節約する人の割合が低く、20代男女は「単価」で節約する人の割合が他の性年代よりも高くなりました。
外食の節約方法は「クーポン」「ポイント取得」が主流
実施したことがある外食時の節約方法について尋ねたところ、1位は「インターネットやアプリ、フリーペーパーからクーポンを入手し利用」で57.2%、2位は「スマホやカードで支払ってポイントをためる、使う」で54.9%、3位は「インターネット予約でポイントをためる、使う」で41.0%でした。
性別・年代別では、20~40代女性で「インターネットやアプリ、フリーペーパーからクーポンを入手し利用」「スマホやカードで支払ってポイントをためる、使う」の割合が高めでした。さらに20・30 代女性では「インターネット予約でポイントをためる、使う」も割合が高く、若年層の女性の間でさまざまな節約方法が積極的に活用されていることがうかがえます。
燃料価格の高騰や食料品の値上げが続く中、物価高はこの先もしばらく収まらないとみられ、家計の負担増は続くと予想されています。賃上げや政府による支援の動きがあるとは言え、懐事情が厳しい人は多いでしょう。今回の調査では、節約志向が高まった人が半分ほどに上りました。ご自身の家計を点検し、節約できるところは節約して、メリハリをつけた生活を送ってみてはいかがでしょうか。
▼参考資料
- リクルート「ホットペッパーグルメ外食総研 最近の物価高で節約志向が高まった人は49.4%」