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教育費の目安はどれくらい?進学パターンに応じた「子どもの教育資金」

子どもの教育資金

人生の三大資金の一つともされる「教育費」。幼稚園・保育園入園前後から徐々にかかり始め、とくに大学進学前にはまとまった金額が必要になります。そのときになって慌てないためには早めの準備が肝心です。とはいえ、忙しい日々のなか、お金のことはなかなか考えられませんよね。そこで今回は知っておきたい教育費の平均金額と、ため方のポイントについて解説します。

目次


  1. 知っておきたい教育費のリアル【1】私立? 公立? 学校の種類によって差がつく費用
  2. 知っておきたい教育費のリアル【2】見逃せない学校外活動費
  3. 家庭にとって望ましいプランを夫婦で話し合おう

知っておきたい教育費のリアル【1】私立? 公立? 学校の種類によって差がつく費用

教育費にはどれくらいの額が必要となるのでしょう。本コラムでは、文部科学省が公表している「令和3年度子供の学習費調査の結果」をもとに解説します。

まずは幼稚園から高校までのステージごとに、学習費総額の平均額を確認しましょう。学習費総額とは、各ステージの子ども1人に対し、保護者が1年間に支出した学校教育費(授業料、入学金、学用品、通学交通費など)、学校給食費、学校外活動費(学習塾、スポーツ・文化活動など)の合計です。

(公立/私立別)幼稚園の学習費総額

公立幼稚園 年間165,126円(月間13,760円)

私立幼稚園 年間308,909円(月間25,742円)

※月間の数値は本コラム用に算出し図を作成 (小数点以下切り捨て、以下同様)

※参考:文部科学省『令和3年度子供の学習費調査の結果』「表 1 学校種別の学習費総額」以下同様

公立幼稚園に通う場合は月13,000円程度、私立幼稚園に通う場合は月25,000円程度の支出です。前回調査の2018年度までは、公立幼稚園が月19,000円ほど、私立幼稚園が月44,000円ほどで推移していましたが、2019年10月に始まった幼保無償化により負担が大きく軽減されています。

※出典:文部科学省『令和3年度子供の学習費調査の結果』3P 

(公立/私立別)小学校の学習費総額

公立小学校 年間352,566円(月間29,380円)

私立小学校 年間1,666,949円(月間138,912円)

私立小学校に通う場合は、公立小学校に通う場合のおよそ5倍の金額がかかり、月11万円程度の支出差が見込まれます。私立小学校へ進学する場合は、進学後の家計の変化をあらかじめ確認しておきましょう。毎月の学習費のために貯蓄の取り崩しが必要になる可能性があれば、今後の働き方を含めた家計の見直しとともに、進学プランの見直しを検討してみてください。

(公立/私立別)中学校の学習費総額

公立中学校 年間538,799円(月間44,899円)

私立中学校 年間1,436,353円(月間119,696円)

私立中学校に通う場合は、公立中学校に通う場合のおよそ3倍の金額が必要になります。公立小学校から公立中学校に進学すると、増加額は年間20万円弱、月換算にすると1.5万円程度です。

私立小学校から私立中学校へ進学する場合は支出が減少しますが、公立小学校から私立中学校へ進学する場合は、月におよそ9万円の支出増となります。

(公立/私立別)全日制高校の学習費総額

公立高校 年間512,971円(月間42,747円)

私立高校 年間1,054,444円(月間87,870円)

公立中学校から公立高校に進学した場合と、私立中学校から私立高校に進学した場合は、いずれも支出が減少しています。ただし、公立中学校から私立高校に進学する場合は、月におよそ4万円の支出増となっています。

オール公立とオール私立の差は統計上1,264万円

※出典:文部科学省『令和3年度子供の学習費調査の結果』2P 

幼稚園から高校までに必要な学習費総額を在学期間で見ると、公立か私立かにより差があります。統計上ではありますが、すべて公立の場合は合計574万円、すべて私立の場合は合計1,838万円と、1,264万円の差が生じます。月々の金額の差はさほど大きくなくとも、在学期間を通算した総額では大きな差となるでしょう。

公立と私立で最も差が大きいのは6年間在籍する小学校です。中学受験をする場合、そのための塾に通う費用も必要になります。「周りが通っているからなんとなく」という考えで進学先を決める前に、受験にかかる費用についてもよく検討することが大切です。

知っておきたい教育費のリアル【2】見逃せない学校外活動費

ここまで見てきた学習費総額のうち、学校以外でかかる費用が「学校外活動費」です。これは学習塾などの「補助学習費」と、習い事の月謝などを含む「その他の学校外活動費」を合わせたものとなっています。

『令和3年度子供の学習費調査の結果』によると、学校外活動費が学習費総額に占める割合は、約30%~70%と各ステージで差はあるものの一定のボリュームを占めており、見逃せません。

ただし、実際にどの程度かかっているのかは、子どもの通園・通学先によっても異なります。ここでは幼稚園と小学校、中学校、高校それぞれの学校外活動費の金額と割合を詳しく確認しましょう。

(公立/私立別)幼稚園の学校外活動費

幼稚園の場合、保護者が1年間に支出した子ども1人あたりの学校外活動費の金額と、学習費総額に占める割合は次の通りです。

 

学習費総額

学校外活動費

学校外活動費が学習費総額に占める割合

公立幼稚園

165,126円/年

90,555円/年

54.8%

私立幼稚園

308,909円/年

144,157円/年

46.7%

出典:文部科学省『令和3年度子供の学習費調査の結果』の「表 1 学校種別の学習費総額」より、以下同様

学習費総額を比較すると、公立より私立のほうが約14万円高くなっています。学校外活動費が学習費総額に占める割合を比較すると公立幼稚園のほうがの割合が高い一方、金額は私立幼稚園のほうが年間54,000円程度多いことがわかります。

出典:文部科学省『令和3年度子供の学習費調査の結果』の「図 1-3 公立・私立幼稚園における学校外活動費に占める「補助学習費」「その他の学校外活動費」の内訳」より

学校外活動費の内訳を見ると、公立幼稚園では塾や通信学習などの「補助学習費」が3.0万円と最も多い一方、私立幼稚園では「その他学校外活動費」が多く、なかでも水泳やサッカーなどの「スポーツ・レクリエーション活動」が4.6万円と最多になっています。

同じ調査によると性別では公立・私立幼稚園ともに女子のほうが高額になる傾向があります。

(公立/私立別)小学校の学校外活動費

小学校の場合、保護者が1年間に支出した子ども1人あたりの学校外活動費の金額と、学習費総額に占める割合は次の通りです。

 

学習費総額

学校外活動費

学校外活動費が学習費総額に占める割合

公立小学校

352,566円/年

247,582円/年

70.2%

私立小学校

1,666,949円/年

660,797円/年

39.6%

学校外活動費を比較すると、公立小学校は247,582円、私立小学校は660,797円と、公立より私立のほうが年間40万円程度多くなっています。幼稚園での学校外活動費の差が約5万円、中学校ではほとんど差がなく、高校では約10万円なのに対して、小学校での差が最も大きくなっています。

なお、公立小学校の学校外活動費の割合が70.2%となっており、公立幼稚園の54.8%と比べて学校外活動費の割合が高くなっています。小学校に進学して、学習塾に通う子どもの割合が増えるからかもしれません。

出典:文部科学省『令和3年度子供の学習費調査の結果』の「図 2-3 公立・私立小学校における学校外活動費に占める「補助学習費」「その他の学校外活動費」の内訳」より

学校外活動費の内訳では補助学習費が公立で12.0万円、私立で37.8万円と、それぞれ半分前後の割合を占めています。

同じ調査によると、性別では公立小学校では女子、私立小学校では男子のほうが高額になる傾向があります。

(公立/私立別)中学校の学校外活動費

中学校の場合、保護者が1年間に支出した子ども1人あたりの学校外活動費の金額と、学習費総額に占める割合は次の通りです。

 

学習費総額

学校外活動費

学校外活動費が学習費総額に占める割合

公立中学校

538,799円/年

368,780円/年

68.4%

私立中学校

1,436,353円/年

367,776円/年

25.6%

公立中学校では、公立小学校より学校外活動費が年間で約12万円多く、私立中学校と同水準の金額になっています。公立、私立を問わず、高校受験を意識してお金をかける家庭が多いことがうかがえます。

出典:図 3-3 公立・私立中学校における学校外活動費に占める「補助学習費」「その他の学校外活動費」の内訳より

内訳を見ても、学習塾などにかける補助学習費が公立では30.3万円、私立では26.2万円で、学校外活動費の大半を占めています。

同じ調査によると性別では公立・私立中学校ともに男子のほうが高額になる傾向があります。

(公立/私立別)全日制高校の学校外活動費

全日制高校の場合、保護者が1年間に支出した子ども1人あたりの学校外活動費の金額と、学習費総額に占める割合は次の通りです。

 

学習費総額

学校外活動費

学校外活動費が学習費総額に占める割合

公立高校

512,971円/年

203,710円/年

39.7%

私立高校

1,054,444円/年

304,082円/年

28.8%

学校外活動費を比較すると、公立より私立のほうが約10万円高くなっています。公立・私立を問わず、高校の学校外活動費は中学校より少なくなっています。

出典:図 4-3 公立・私立高等学校(全日制)における学校外活動費に占める「補助学習費」「その他の学校外活動費」の内訳より

ただ、大半を占める補助学習費に注目すると、公立では17.1万円、私立では24.7万円でした。公立の場合、中学校より高校のほうが学習塾などにお金をかけていない一方、私立の場合は中学校と高校で同程度の金額を支出しています。

同じ調査によると、性別では公立・私立高校ともに男子のほうが高額で、とくに学習塾などの補助学習費は公立で約5.1万円、私立で約6.1万円の開きがあります。

学校外活動費との上手な付き合い方のポイント

学校外活動費は、各家庭が任意に支出するお金であり、家庭内でコントロールできる費用でもあります。この費用を減らすことができれば、私立に進学しても教育費の総額を下げることができるでしょう。

最近は、早くから習い事を始める家庭も目立ちますが、あまり早くからお金をかけすぎると、教育費をためるチャンスを失ってしまう可能性もあります。学校外活動費の支出のピークは公立なら中学校、私立なら小学校です。教育費をためるのに適した時期は就学前であると意識して、自治体のサービスや通学より安価なオンラインの教育サービスを活用するなど、工夫してみてはいかがでしょうか。

家庭にとって望ましいプランを夫婦で話し合おう

進学先が公立か私立か、また学校外の習い事や学習塾の費用にどの程度かけるかによって、必要な教育費は異なります。学校教育費は入学後にはほぼ一定額の固定費となり、コンスタントに支出が続きます。あとから変更することは容易ではありません。

家計を安定させるには、日々必要なお金は毎月の収入でまかない、まとまって必要になるお金は積立として準備するのが基本です。高校卒業後、大学に進学するなら受験費用や入学金、準備費用などで、初年度だけでも100万円以上かかるのが一般的です。子どもが生まれてから早く積立を始めれば月に数千~1万円程度で十分な額を用意でき、児童手当を活用すれば積立に必要な金額の多くをまかなえるでしょう。

しかし、月々の教育費の負担が大きすぎると、積立を続けるのが難しくなってしまうかもしれません。私立の中学や高校を受験するなら、さらなる費用が必要でしょう。

夫婦で大切にしたいものや、希望する教育プランが違うといったケースもありますが、子どもが大きくなってからお金が足りなくなり、家計に無理が出るようでは、子どもが希望する進学に支障をきたしかねません。子どもが小さいうちに夫婦で話し合い、あらかじめ家庭で拠出できるお金のボーダーラインを明確にしておくことをおすすめします。

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