火災保険の見直しは必然!?ポイントと更新手続きについて詳しく解説
火災や自然災害に備えるために加入する火災保険ですが、加入した当時の補償内容が今の生活に本当に合っているか、意識したことはありますか?
住宅環境や家族構成の変化、建物の経年、物価動向、保険料改定などによって必要な補償は変わります。火災保険を定期的に見直すことで安心と経済的なメリットを手に入れることができます。特に更新のタイミングを迎える際は、補償内容や保険料を改めて確認する絶好の機会です
この記事では、火災保険を見直すべき理由や押さえておきたいポイント、スムーズな更新手続きの流れを詳しく解説します。
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火災保険の見直しが必要な理由

近年、台風や豪雨など自然災害が増加傾向にあり、火災保険の保険料も上昇しています。そのため、契約当初の補償内容のままでは、必要な補償が十分でない可能性があります。ここでは、火災保険を定期的に見直すべき理由を解説します。
保険料の変動と市場環境の変化
近年は台風や豪雨などの自然災害が増え、保険金の支払いも増加しています。その影響で多くの損害保険会社が保険料を引き上げています。実際、2023年に損害保険料率算出機構が参考純率*1を全国平均で13%引き上げると発表しており、この改定を受けて2024年10月以降、多くの損害保険会社が火災保険料を値上げしました。地域・建物条件によって上昇率には差がありますが、全体として上昇圧力は強まっていると言えます。
災害リスクの高まりや市場環境の変化により、火災保険の料率は今後も見直される可能性があります。定期的に最新プランを確認し、補償内容と保険料のバランスが取れているかを点検しましょう。
*1 「参考純率」とは、損害保険料率算出機構が全国の災害発生データをもとに算出した、保険料の目安となる数値のことです。これが引き上げられると、保険会社の保険料も上がる傾向があります。
家族構成やライフスタイルの変化
火災保険は、建物の評価額だけでなく、家財についても補償の対象としますが、家財の評価額は家族構成やライフスタイルによって大きく変化します。
火災保険を見直すべきタイミング
火災保険は一度契約したら終わりではなく、生活環境の変化や建物の経年、さらには物価動向に合わせて定期的に見直すことが大切です。たとえば、保険金額が現在と同等の建物を再建築する際に必要となる金額、つまり再建築価格(再調達価額)より少ないままだと、災害時に修理や再建費用を十分にカバーできないケースもあります。ここでは、火災保険を見直すべき具体的なタイミングについて解説します。
契約更新時の確認
火災保険の更新時期は、補償内容を見直すタイミングです。保険会社から更新案内が届くと、つい「そのまま継続」で済ませてしまいがちですが、建物の再調達価額や家財の内容は年々変化します。この機会に「今の補償額で足りているか」「不要な補償に入っていないか」を確認しましょう。
保険料が上がっていても、補償範囲が広がる場合もあります。内容を理解した上で、適切な契約へ更新することが大切です。
新築やリフォームを行ったとき
新築時はもちろん、大規模なリフォームや増築を行った際も、火災保険の見直しは欠かせません。屋根材の変更、耐震補強、断熱工事、外壁塗装など、使用する建材や構造が変わると、火災・自然災害に対するリスク評価や建物の再調達価額も変わります。
たとえば、評価額が上がったにもかかわらず古い契約のままでは、修理費の全額をカバーできない「保険金額不足」に陥ることもあります。また、ウッドデッキやカーポートなど、屋外設備を新設した場合も、補償対象に含まれているかを確認しましょう。
家族構成の変化
先述した通り、家族構成の変化は、家財補償の見直しに直結します。結婚や出産で家族が増えれば家具や家電が増え、逆に子どもの独立で家財が減ることもあります。また、親と同居を始めた場合には、高価な家財や貴重品を追加で補償対象に含める必要が出てくることもあります。
最近ではリモートワークの普及により、高額なパソコンやカメラ機材を自宅に置く家庭も増えています。「今の補償額で本当に足りるのか?」を意識して、生活の変化に合わせて見直しましょう。
火災保険の見直し時に確認すべきポイント
火災保険を見直す際は、「できるだけ保険料を安くしたい」と思う方も多いかもしれません。
しかし、いざ災害が起きたときに本当に役立つかどうかが、見直しの一番大切なポイントです。「今の生活に合った補償になっているか」を意識して、必要な補償を残しつつ、ムダを減らす見直しを行いましょう。ここでは、見直し時に特に確認すべきポイントを解説します。
補償内容の適正化
火災保険の見直しでは、まず「補償内容が自分の暮らしに合っているか」を確認しましょう。たとえば、水害の心配があまりない高層マンションに住んでいる場合、水災補償を付帯しない、または限定的な補償に抑えることを検討できます。ただし、高層階でも、地下駐車場や共用設備などが水害を受けるリスクがある点には注意してください。
一方で、台風や雪の多い地域では、風災・雪災の補償を厚くしておくのが安心です。さらに、門や塀、カーポートなどの付属物、家財(テレビ・パソコン・家具など)の補償額が現状に合っているかも確認しましょう。必要以上の補償を削り、不足している部分を補うことが、結果的に「ちょうどいい火災保険」につながります。
保険料の見直し
補償内容を整理したら、次に保険料を見直しましょう。同じ補償内容でも、保険会社によって保険料は意外と違います。複数の保険会社で見積もりを取り、条件を比較することで、コストパフォーマンスの良いプランを選べます。
たとえば、年払いから5年分の一括払いに変えると割引が受けられる場合や、自己負担(免責)額を1万円から5万円に上げると保険料が下がる場合もあります。「保険料を下げる=補償を減らす」ではなく、「同じ補償をより安くする」工夫を意識しましょう。
地震保険の併用検討
ニュースで大きな地震の映像を見るたびに、「うちは大丈夫かな」と不安になる方も多いでしょう。実は、火災保険だけでは地震や津波による損害は補償されません。こうした災害をカバーするのが地震保険です。
日本は地震の多い国ですから、住宅ローンを利用している方や貯蓄が多くない世帯では、生活再建の支えとして地震保険の検討が必要です。火災保険を見直す際は、地震保険の加入有無や保険金額が自分の家計状況に合っているかも併せてチェックしましょう。
火災保険を見直す際の注意点
火災保険の見直しは、保険料を抑えて家計を助けたり、補償を厚くして安心を高めたりできる有効な手段です。しかし、手続きの順序や契約の取り扱いを誤ると、思わぬトラブルや補償の空白期間が生じる可能性もあります。ここでは、火災保険を見直すときに特に気をつけたい3つのポイントを紹介します。
無保険状態を避ける
新しい火災保険に切り替える際は、「旧契約の終了」と「新契約の開始」が途切れないように注意しましょう。もし旧契約を先に解約してから新しい保険が始まるまでに災害が起きた場合、その期間は“無保険状態”となり、補償を受けられません。
【確認手順】
➀ 新しい保険の「始期日と時刻」を確認する
② 旧契約の解約日は、その翌日以降に設定する
③ できるだけ重複期間*2を作らないように工夫する
契約内容に不明点がある場合は、保険会社や代理店に相談してスケジュールを調整しましょう。ポイントは、「新契約を確定させてから旧契約を終了する」ことです。
*2 同一保険会社内での更新では重複期間の調整が可能な場合もありますが、他社への乗り換えでは基本的に調整されません。重複期間をできるだけ作らない設定が原則です。
質権設定がある場合の注意
住宅ローンを利用している場合、火災保険には「質権(しちけん)」が設定されていることがあります。これは、災害で家が損壊したときに、金融機関が保険金を優先的に受け取れるようにする仕組みです。質権が設定されている場合、保険の解約や変更には金融機関の承諾が必要です。承諾を得ずに勝手に解約・変更すると、ローン契約違反になるおそれがあります。
【確認手順】
➀ 保険証券の「質権者」欄を確認(銀行名などの記載があれば設定あり)
② 質権がある場合は、ローン窓口に連絡し「見直し・変更の可否」と必要な手続きを確認
③ 新しい保険契約を結ぶ前に、金融機関の承諾を得る
手続きはやや複雑ですが、銀行と保険会社の両方に相談すればスムーズに進められます。
保険料の上昇リスク
補償を手厚くしたり、地震保険に新たに加入したりすると、当然ながら保険料は上がります。また、保険料率の改定や市場環境の変化によって、同じ内容でも以前より高くなるケースもあります。見直しの目的は「できるだけ安く」ではなく、「必要な補償を適正な価格で維持する」ことです。
【確認手順】
➀ 家計に占める保険料の割合が高すぎないか
② 免責金額(自己負担額)を上げて保険料を下げる場合、実際に支払える金額か
③ 補償を減らしすぎて、修理や再建費が自己負担になるリスクはないか
一度の節約で数千円下がっても、いざという時に補償不足では本末転倒です。保険料と補償のバランスを見ながら、最安より適正を意識してみましょう。
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火災保険の見直しを行うメリット

火災保険の見直しは、少し手間がかかるため敬遠する人も多いでしょう。しかし、その一手間で「余分な出費を抑えつつ、いざという時の備えを強化できる」という大きな効果が得られます。
保険を“見直す”ことは、単なる節約ではなく「自分と家族の暮らしを守るためのチューニング」です。ここでは、見直しによって得られる主なメリットを具体的に見ていきましょう。
経済的負担の軽減
火災保険を見直す最大のメリットのひとつは、家計の負担を減らせることです。古い契約のままにしておくと、今の生活スタイルには不要な補償が含まれている、または保険料が割高になっている場合があります。
見直しによって、
● 不要な補償を減らす
● 同じ内容でも保険料が安い会社へ乗り換える
● 年払いから5年の一括払いに変更して長期割引を適用する
といった方法で、年間数千円〜数万円の削減につながることもあります。
たとえば、年間で1万円の保険料を抑えられれば、10年間で10万円の節約になります。浮いたお金を貯蓄や資産運用に回せば、将来への安心にもつながります。つまり、火災保険の見直しは「支出削減」と「将来の資産形成」の両方に役立つ行動なのです。
安心感の向上
もう一つの大きなメリットは、災害に遭った時の「補償の確実性」が高まり、安心して暮らせることです。契約当初から年月が経つと、建物の老朽化や家族構成の変化により、補償が実態に合わなくなることがあります。
たとえば、
● 家を建てた当時よりも家財が増えているのに補償額が据え置かれている
● 地震保険に加入していないが、最近地震が多く不安を感じている
● 在宅勤務で高価なパソコンや機材を自宅に置くようになった
といった場合、火災保険の見直しで必要な補償を追加することで「もしもの時も大丈夫」という安心感を得られます。
また、補償内容を明確にしておくことで、災害時の保険金請求もスムーズになります。火災保険は支出ではなく、生活を再スタートさせるための投資と捉えるのがポイントです。安心して日々を過ごせることこそ、見直しの最大の価値と言えるでしょう。
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火災保険の見直しに関するよくある質問
火災保険の見直しや更新手続きに関しては、「いつ見直せばいいの?」「解約すると損しない?」といった質問を多くいただきます。
ここでは、特に問い合わせの多い2つのテーマについて分かりやすく解説します。ぜひご自身の契約内容と照らし合わせて確認してみてください。
Q1.解約返戻金とは何ですか?
火災保険を契約期間の途中で解約した場合、残り期間分の保険料が「解約返戻金」として返ってくることがあります。特に、5年の長期契約で一括払いをしている場合は、返戻金が比較的大きくなる傾向があります。
ただし、以下のようなケースでは返戻金がほとんどない、またはまったくない場合もあります。
● 契約期間が短い(1年未満など)
● 掛け捨て型(返戻金の仕組みがない)
● すでに契約期間の大部分が経過している
また、保険会社によっては「短期率」という独自の計算方式が使われるため、単純な日割りでは計算されません。「短期率」とは、火災保険を契約途中で解約したときに使われる返金の計算方法のことです。通常、保険料は使っていない期間分がそのまま日割りで戻るわけではなく、契約期間が短いほど返金額が少なくなるというルールがあります。これは、契約当初に事務手続きや補償リスクが集中するためです。つまり、途中解約をすると「思ったより返戻金が少ない」と感じることがあるのは、この短期率が適用されるためです。解約前には、保険会社にどの程度の金額が戻るか(短期率での試算)を確認しておくと安心です。
返戻金の有無や正確な金額を知りたい場合は、現在の保険会社に問い合わせるか、専門家に試算を依頼するのがおすすめです。
Q2.保険料の支払い方法はどれを選ぶのが良いですか?
火災保険の保険料は、主に「一括払い」と「月払い(分割払い)」の2種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、家計やライフプランに合わせて選ぶことが大切です。
たとえば、年払いから5年の一括払いに変更すると長期割引で総額を抑えられる場合があります。ただし、支払い能力や将来のライフイベント(転居・建て替えなど)も考慮し、「払いやすく、続けられる方法」を選ぶことが重要です。
Q3.ネット保険はどんな人が向いている?
「ネット保険(ダイレクト型火災保険)」は、保険会社や代理店を通さず、インターネット上で契約を行うタイプの保険です。手続きがすべてオンラインで完結するため、保険料をできるだけ抑えたい方や、自分で情報を調べて納得して選びたい方に向いています。
ネット保険が向いている人
ネット型の火災保険は、販売コスト(人件費や店舗費用)がかからない分、代理店型よりも保険料が安い傾向があります。また、契約内容をいつでもオンラインで確認・変更できる点も魅力です。
● スマートフォンやパソコンでの手続きに抵抗がない
● ある程度、自分で補償内容を選び・比較できる
● 代理店のサポートよりも、手軽さとコスト重視
● 火災保険の基本的な仕組みをすでに理解している
ネット保険を検討する際の注意点
ただし、「安さ」だけで選ぶのは注意が必要です。火災保険は、建物の構造や地域リスク、家財の量などによって必要な補償が大きく変わります。自分で選ぶ分、補償の抜けや過不足が起きやすいのも事実です。特に次のような方は、代理店型(対面相談)を利用する方が安心です。
● 火災保険に初めて加入する方
● 補償内容の判断に不安がある方
● 地震・風災・水災など地域リスクが高いエリアにお住まいの方
● 万一の事故時に、保険金請求をサポートしてほしい方
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火災保険の見直しは定期的に行おう
火災保険は、マイホームという大切な資産を守るための“最後の砦”です。
契約当初は十分と思っていても、市場環境や家族構成の変化、建物の老朽化などによって、補償内容が今の生活に合わなくなることがあります。だからこそ、火災保険は一度加入したら終わりではなく、2~3年ごと、あるいは契約更新時などの節目で見直すことが大切です。
定期的な点検を行うことで、無駄な出費を防ぎつつ、万が一の際にしっかり備えることができます。もし「今の補償で本当に足りているのか不安」「複数の保険会社を比較し自分にマッチしたプランを選びたい」と感じたら、ぜひお気軽に「保険・NISA・投資信託の相談はソナミラへ」ご相談ください。
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