世代別の悩みから見えてくること。悩みの世代別ランキング
「人生は山あり谷あり」という格言に異論を唱える人はいないでしょう。長い人生を歩んでいく中で、上り坂もあれば、下り坂もあるものです。
程度の差はあれ、どなたにも喜びや悲しみがあり、その中で苦悩が生まれます。世の中に人たちは、いったいどのような悩みを持っているのでしょうか。
今回は世代別の悩みについて、そしてその悩みの背景についてお話しします。今まさに悩みを抱えているあなたへのヒントとなるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。
いつの時代にも人は悩む。どの世代でも悩む。貧富の格差なく悩む。
そもそも悩みごととはいったい何なのでしょうか。
例えば、年収が少なくて悩んでいる人がいるかと思えば、お金がたくさんあるがために生まれる悩みもあるでしょう。他人からはぜいたくな悩みと思われても、本人にとっては深刻な悩みがそこにはあるのかもしれません。
人として生きていく限り、悩みごとは誰にでも平等に生まれるものではないでしょうか。
現代の日本人はどんなことで悩んでいるのだろうか?
ところで、私たちが暮らしているこの日本において、人々はいったいどのような悩みを持っているのでしょうか。
個人の視点で、同じような悩みごとで頭を痛めている人がいると知ることは、あなた自身にとってもメリットとなり得ます。「みんな同じなのだ」と思うと、肩の力が抜けて、また頑張れるということもあります。また、同じように悩んでいる人の取り組みを知ることで、的確な対処方法がわかるかもしれません。
国の視点でも、社会全体の悩みを知ることは重要視されています。国家が社会福祉のあり方を模索する上で、人の悩みの統計はとても大切な情報なのです。
そこで厚生労働省では、人と悩みについて多方面から調査を行っています。その一つが、厚生労働省『全国生活基礎調査2019』です。それでは、各年代別の悩みを見ていきましょう。
年代別の悩みの分布
この図では悩みの全体感がわかります。10代・20代にかけ、学生生活から社会生活に移っていく中で、悩みの層は大きく変わっています。また30代・40代では家庭を持ち、子どもを育てる中での悩みが増えていきます。そして、退職時期である60~65歳以降からは健康に対する悩みが増えてくることになります。
各年代の悩みをランキング
では、各年代でもっとも深い悩みは何なのでしょうか。1~3位までをランキングにしました。
10代・20代:学業の悩みから仕事の悩みへ
生活環境が自宅と学校に限られることの多い10代では、やはり学業についての悩みごとが最も多くなっています。家族以外、例えば友人などとの人間関係、家族との人間関係と続いている点も、10代の特徴と言えます。
高校・大学卒業後、就職する20代になると、次第に学業から仕事に関する悩みへと変わっています。就活の悩み、そして就職先に対する不満や働き方についての悩みが多くを占めています。
責任ある大人として働き、仕事に慣れてくると、「このまま今の仕事を続けていいのか」「将来性のある仕事をしているのか」「もっとやりがいを求めたい」などの思いとともに、収入に対する不満や悩みも多くなるようです。
職場での人間関係が大きな悩みとなっている人も多くいます。学生時代とは全く異なる人間関係やパワハラなどは、簡単に解決しないため、時として重大なトラブルにもなります。
30代・40代:育児と子供の教育
結婚や出産、子育てが始まる30代から40代でも、最も多い悩みは仕事に関するものです。
キャリアを積むにつれ、責任感や上司・部下との関係に悩むことが増えていきます。同時に教育費や住宅ローンなど、出費が増えてくる年代ともなり、収入に関する悩みも多くなってきます。
30代の第3位が育児となっている点からは、出産年齢が遅くなっているという社会的な背景も見えてきます。
50代・60代:家族の介護から介護される側へ
そろそろ子育てが一段落する50代になると、子供に関する悩みから家族の健康に関する悩みが増えています。親の病気や介護が現実味を帯びてくる年代となってきたことがわかります。
定年退職を迎える60代では、家族の介護から自分の病気や介護される立場としての悩み、そして老後の生活資金が大きな悩みとなります。
残念ながら公的年金への不安が払しょくしきれないこの日本では、今後も老後の資金についての悩みは大きくなることでしょう。
70代・80代:自分自身の病気や介護
70代以上では、自身の病気や介護が最も大きな悩みとなります。次に多いのが家族の病気と介護だという点は、まさに老老介護が問題視されている現代の日本を反映しているようです。
生活満足度に影響も
生活満足度は、収入面・仕事面・生活環境・教育・健康状態・社会的なつながりなどにおいて、どれだけ充足しているかによって決まります。
ちなみによく似た言葉として幸福度がありますが、客観的な部分が多くを占める生活満足度に対して、幸福度は主観的な感覚(自分自身がどう思うか)に注目したものです。
年代別の生活満足度の推移
内閣府の生活満足度の調査によると、年齢によって大きな違いがありました。
40代は満足度が低い
ご覧の通り、40~64歳の満足度が低く、特にコロナ禍以降は際立っています。
働き盛りと言われるこの年代では、コロナ禍の影響を受け、仕事の継続や生活を支えることに悩みを抱えたのだろうと推察されます。
しかし、40~64歳では、コロナ禍以前からも低い傾向が見られます。
今の日本では、多くの人が将来への不安感を持っています。なかでも40代は、
- 教育資金や老後資金などお金に関する悩み
- 自身の健康不安
- 親の介護に関する悩み
などが次々と出てくる世代です。
今の生活への不安と、将来への不安が大きな悩みとなり、特に40代の満足度が低くなっているのではないでしょうか。
実はこの傾向は日本だけの話ではありません。アメリカのダートマス大学のブランチフラワー教授が行った分析によれば、ヨーロッパ、アジア、北アメリカ、南アメリカなど世界145か国において、幸福度と年齢の関係がU字型になり、幸福度が最も低くなる年齢の平均値は約48.3歳であることがわかっています。
満足度が低いということは、幸福度も低い水準であると言えます。人は経済的に安定していても幸福であるとは限りません。心のうちを満ち足りたものにするには、例えば学びの場、キャリアアップなどを図ることも必要です。
40代では気力だけでは乗り越えられない壁にぶつかることもあります
人生には上り坂と下り坂があるのは、これまで見てきた通りですが、もう一つ坂があると言われています。それは「まさか」の坂です。この「まさか」に遭遇すると、気力だけでは超えられないことも出てきます。
40代で上昇する三大疾病への罹患
男女問わず、40代は「メタボ世代」と言われ、必要のない脂肪がつきやすくなる年代です。
また、基礎代謝量も次第に落ち、それ以前と同じような食生活でもなぜか太ってくる…と言う怖い現象が起こりやすくなります。同時に責任の大きな仕事を任されることが増える40代は、ストレスもたまりやすくなります。
肥満とストレス、病気にとっては最高のごちそうが揃ってしまうのです。特に怖いのが、「がん」「脳血管疾患」「心疾患」という三大疾病が急増することです。
男性では胃がんや大腸がんなどの消化器系のがんが、女性では乳がんや子宮がんの罹患率が上昇します。
脳血管疾患は30代の約5倍、心疾患も30代の約3倍に増えているのです。
健康リスクを最小限にするためには、人間ドックなどによる定期的な健康診断と生活習慣の見直しを行うことが大切です。
20代・30代は運動と食事で事前のケアを
40代に比べると健康不安が少ない20代・30代ですが、実はこの年代での生活習慣が40代以降の健康を大きく左右するのです。
就職、一人暮らしなどにより大きく生活環境が変わる20代は、若さも手伝ってついつい不規則な生活や無理をしがちです。
30代になると、家庭を持ったり、責任ある仕事を任せられたりと、充実した毎日を過ごすようになる人も多いことでしょう。しかし、健康診断で異常が出るようになってくるのは30代です。若い頃の生活習慣の乱れが悪影響を及ぼし始める年代ともいえます。
若さに任せて無茶をせず、適度な運動とバランスの良い食事を摂り、これからの人生を健康に過ごせるような土台を作ることが大切です。
医療保険は大丈夫?
いくら気を付けていても、病気になってしまうことはあります。そんな時に頼りになるのが医療保険です。
ところであなたはどんな医療保険に入っていますか?がんや三大疾病に対する保障は十分ですか?
医療保険と三大疾病保険の違い
病気に備える保険には、医療保険と三大疾病保険があります。それぞれの違いは上記の通りです。
保障範囲を広くカバーしたい場合は、医療保険で特約を付帯する方法がおすすめですが、特約を付けた分だけ保険料は高くなります。
三大疾病保険は、原則三大疾病を保障しますが、すべての三大疾病に対して保障されるのではなく、限られた症状が対象となることが多いため、保障内容についてよりしっかりとした確認が重要になります。
例えば心疾患を保障するとしながらも「心筋梗塞」は給付対象外となっているケースや、がんに備えられるとしながらも、「上皮内がん」は給付対象外となっているケースがあるので、よく見比べることが大切です。
まとめ
今回紹介したように人の悩みは、世代によってある程度の特徴はあるものの、多くの部分で共通しているようです。
世代共通の悩みは”仕事”と”オカネ”
今回見えてきたのは「老若男女問わず、大きな悩みは仕事とオカネである」ということです。
一人の大人として仕事をすることは、生きるうえで当たり前であり、人によっては生きがいともなります。しかし、働くとは、ただ作業をするというだけではありません。
職場での人間関係、顧客への臨機応変な対応、キャリアアップへの努力、積み重なるストレスへの対処など、そのどれもが上手くかみ合ってこそ働き甲斐や喜びを感じることができます。
しかし、いくら仕事自体に喜びを感じていても、それに見合った収入がないと、満足感が低下します。ある程度の収入があっても、出費が多ければ、将来に不安を感じたり、思い通りの生活ができないという悩みにつながったりもします。
ソクラテスの言葉
「簡単すぎる人生に、生きる価値などない」
これはソクラテスの言葉です。
どんな人生でも、簡単に乗り越えられることばかりではありません。と言うより、平坦で何も起こらない人生なんて面白くないかもしれません。何かあって当然、それが人生を彩ってくれるし、自分を強くしてくれる、そして生きることの価値を教えてくれるのではないでしょうか。
もちろん、辛すぎて前に進めない時もあります。でも生きている限りあなたはあなたの人生を歩かなくてはなりません。
であるならば、ソクラテスの言葉にあるように「生きる価値がまた1つ見つかった」と思うくらいの気持ちで悩みを受け入れる姿勢が必要なのかもしれません。
一人で悩まないで相談しよう!
悩みを乗り越えるのは自分でも、ちょっとしたヒントや物の見え方を伝えてもらえるだけで、打開策が生まれてくるものです。
ミライやオカネのことで悩んだときはソナミラのコンシェルジュに気軽に相談してみてください。ソナミラなら、何度でも無料でご相談いただけます!
ソナミラのコンシェルジュが、不測の事態へのそなえと、みらいへの資産形成のお手伝いをします。保険やNISAなどお気軽にご相談ください。私たちはみなさまのお悩みに真剣に、ときに友だちのように向き合います。