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LGBTへの対応、企業や自治体で取り組み広がる 独自のパートナーシップ制度も

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日本でも浸透してきた「LGBT」という言葉。最近では「LGBT理解増進法」の制定に向けた動きなど、ニュースで耳にする機会もふえました。本来であれば性的マイノリティの方々も差別を受けることなく、平等に生活できる社会が望ましいですが、現代の日本ではさまざまな分野でLGBTに関する課題は残っています。今回は主に、企業や行政で課題に対してどのような取り組みが行われているかをご紹介します。

目次


  1. LGBTとは?
  2. 企業の取り組み事例
  3. 行政の取り組み事例
  4. ダイバーシティとインクルージョンの実現へ 当事者以外の関心も重要

LGBTとは?

LGBTとは

LGBTとはセクシャルマイノリティの総称の一つです。下記の4つの言葉の頭文字をとっています。

  • L…Lesbian(レズビアン:女性同性愛者)
  • G…Gay(ゲイ:男性同性愛者)
  • B…Bisexual(バイセクシュアル:両性愛者)
  • T…Trans-gender(トランスジェンダー:生まれた時の生物的な性別と、自分の認識している性別が一致していない人)

最近では、Questioning(クエスチョニング:セクシャリティが決められない、迷っている人)を含めたLGBTQ、さらにこれ以外にもさまざまなセクシャリティがあるという意味でLGBTQ+という呼び方もあります。

ちなみに日本ではLGBTの人口規模は約8%という調査結果もあります。自分には関係がないことだと思っていても、クラスや職場にセクシャルマイノリティの方がいる可能性は高いのです。しかし、学校や職場でいじめや差別、偏見に晒されたり、パートナーやその子どもが法的な家族として認められず、手当てなどが受けられないといった不平等が問題となっています。

企業の取り組み事例

前述したように人口の約8%がLGBTの方だと仮定すると、大手企業では社内に一定数の当事者がいると想定できます。また社員だけでなく、ビジネスの消費者にも多くの当事者の方がいるという意識も根付いてきました。

パーソルグループ

総合人材サービスを展開するパーソルグループでは、同性パートナーシップ婚をした社員が異性同士の法律婚と同等の福利厚生を受けられる「同性パートナーシップ婚制度」を導入しています。また多様性への正しい理解を目的としたリテラシー教育を実施しているほか、グループ横断でAlly(アライ:セクシュアルマイノリティを支援したい、寄り添いたいと思う人のこと)活動を行うコミュニティができ、会社もその活動を推進しています。

またLGBTQ当事者の方に対し、LGBTフレンドリー企業への転職・就職を支援するサービスを展開しています。

サントリーグループ

サントリーグループでは人材の多様性を推進する「ダイバーシティ経営」を人事の基本方針とし、社内規定における配偶者の定義に「同性パートナー」も加えています。LGBTに関する相談窓口を設置したほか、全社員へハラスメントに対する研修を実施。性別に関係なく誰でも自由に使えるよう多目的トイレマークの表示を切り替えるなどの活動を行っています。

行政の取り組み事例

たと近年、日本ではLGBTカップルが婚姻に相当する関係であると証明する「パートナーシップ制度」を導入する自治体が増えており、その数は現在250を超えています。

東京都

東京都では渋谷区をはじめ16の区や市で同性パートナーシップ証明制度を導入しています。また2022年11月からはパートナーシップ関係にある2人からの宣誓・届出を、都が受理したことを証明(受理証明書を発行)する「東京都パートナーシップ宣誓制度」も開始しました。これにより性的マイノリティのパートナー関係にある方が、日常生活のさまざまな場面で円滑な手続きをできるようになるほか、たとえば都営住宅への入居申込など、新たにサービスが受けられるようになりました。

兵庫県明石市

兵庫県明石市では全国で初めて、パートナーだけでなく子どもを含む家族の承認・証明書を発行する「明石市パートナーシップ・ファミリーシップ制度」を導入しています。これにより、医療機関などでも家族として入退院の手続きができます。またこの制度の効果をより高めるため、公正証書取得費用の助成も行っています。

ダイバーシティとインクルージョンの実現へ 当事者以外の関心も重要

ダイバーシティとインクルージョンの実現へ

このように企業や自治体単位ではさまざまな取り組みを行っている一方、法制度の整備など国としてのLGBTへの対応は先進国の中でも進んでいるとは言えません。今日の社会では、LGBTに加えて女性、若者や高齢者、外国人、障がい者など、あらゆる人材を組織に迎え入れる「ダイバーシティ」が求められています。その上で、あらゆる人材がその能力を最大限発揮でき、やりがいを感じられるようにする包摂、つまり「インクルージョン」も必要です。誰もが自分らしく生きることのできる社会を実現できるかどうか、LGBTをめぐる議論は当事者だけの問題ではありません。ダイバーシティとインクルージョンを備えた社会に向けて、LGBTの話題に関心をもってみてはいかがでしょうか。

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