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低金利の時代……定期預金にメリットはあるのか?

低金利の時代… 定期預金にメリットはあるのか?

バブル崩壊後にゼロ金利政策が導入されて以来、日本では低金利が長く続きました。貯金のメリットを感じにくい状況が長引いたことで、世間の興味が投資信託などのリスク商品に向いています。 ただし、投資の場合、収益が上がれば良いのですが、元本保証がないため元本が減少するリスクもあることは取組む前に確認しておきたい点です。

 

その反面、定期預金は、利息で元本をふやすことが難しいものの、ご自身の将来の計画に合わせて管理しやすいという利点があります。万が一、預けている先の金融機関が破たんしても一定金額までは保証もされますので、確実な貯蓄方法として考えてみてはいかがでしょうか?

 

ここでは、預金関連の業務経験のある元メガバンカーが、定期預金とはどういうものなのか、低金利時代の定期預金の考え方について解説します。

 

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目次


  1. そもそも定期預金とはどのような商品なのでしょうか?
  2. 定期預金の種類
  3. 普通預金と何が違う?
  4. 定期預金のメリット
  5. 定期預金の注意点
  6. 定期預金を検討するために必要なこと

そもそも定期預金とはどのような商品なのでしょうか?

そもそも定期預金とはどのような商品なのでしょうか?

定期預金は普通預金と異なり、原則として満期日まで払い戻しができません。定期預金の預入期間は1か月から10年までが一般的で、預入期間が長ければ長いほど金利が高くなります。ただし、低金利下の現状では、預入期間が長いからといって、その分だけ金利が高くなるとはかぎりません。定期預金の利息は、満期日にまとめて受け取るものと、半年ごとや1年ごとなど定期的に受け取るものがあります。

定期預金の種類

定期預金の種類

定期預金の種類にはどのようなものがあるかを紹介します。

スーパー定期預金

最も典型的な定期預金です。預入期間は1か月から10年まで選ぶことができ、目的に合わせて期間を選べるのが魅力です。

大口定期預金

最低預入金額が1,000万円以上などのように決まっている定期預金です。まとまった資金を預け入れるのに適しています。「自由金利型定期預金」とも言われています。預金期間はスーパー定期預金とほぼ同じですが、金融機関によっては異なる場合もあります。

積立定期預金

毎月、決まった日にあらかじめ決めた一定額を、普通預金から自動的に振り替える定期預金です。毎月無理のない金額で積み立てることができます。

その他定期預金

変動金利定期預金という6か月ごとに金利が見直される定期預金です。金利が上昇傾向にあれば6か月ごとに金利が上がるのでメリットがあると言えます。
また、定期預金はインターネットバンキング経由でも利用可能です。

普通預金と何が違う?

普通預金と何が違う?

定期預金とよく比較される預金に普通預金があります。ここでは定期預金と普通預金の商品性の違いについて解説します。

金利設定が違う

一般的に定期預金の金利は普通預金の金利より高く設定されています。

日本銀行の時系列統計データ検索サイトによると、普通預金の金利が0.001%なのに対して、定期預金の金利は1年定期で0.005%、10年定期で0.014%となっています(預入金額300万円未満、2023年1月時点)。メガバンクや地方銀行では、これと同程度の金利に設定されているケースが多くなっています。

金融機関は顧客からの預金を取引先に融資して、融資と預金の利息の差額で収益を得ています。定期預金として一定期間引き出しができない資金を受け入れることによって、金融機関は預けられたお金を安定的に融資できるようになり、確実に融資の利息を得られるので、高めの金利を設定することができるのです。

決済用として使えるかどうかが違う

普通預金は、決済用口座として使用できます。給料振込口座に指定したり、公共料金の自動引き落とし口座に設定したりできます。
一方、定期預金は一定期間は引き出しできない預金契約なので、引き落とし口座に設定することはできません。

定期預金のメリット

定期預金のメリット

定期預金のメリットについて解説します。

普通預金より金利が高い

定期預金は、普通預金より金利が高く設定されています。貯蓄を目的とし、当面引き出さない預金であれば、少しでも金利が高いほうにメリットがあると言えます。

目的に合わせた管理ができる

定期預金は、1か月から10年までと預入期間を選ぶことができます。子どもの入学や住宅購入などのライフイベントのタイミングに合わせて満期の設定が可能です。

一定額まで預金保険制度の対象

決済用預金(*)以外の利息の付く普通預金や定期預金等を合算した金額が、1金融機関1人あたり元本1,000万円までとその利息までであれば保護されます。

*「無利息・要求払い・決済サービスが利用できる」要件を満たしている預金で、当座預金や利息の付かない普通預金は預けている全額が保護されます。

定期預金の注意点

定期預金の注意点

定期預金を始めるにあたっての注意点を、以下の通り解説します。

期日前に解約すると利息が低くなる

定期預金は、満期日まで引き出さないことを約束した預金です。満期日以前に引き出す場合は、預入当初の定期預金の金利よりも低くなります。
引き出し日までの金利は普通預金と同じになることが一般的です。

期日前の解約では、本人の意向確認が必要な場合がある

定期預金の満期日になれば、原則として、預金者本人が手続きを行うことで解約できます。
満期前に中途解約する場合には、金融機関は本人からの申し出であるかを確認する義務があるため、本人確認書類などを提示する手間が必要になる場合があります。

金融機関ごとに保証は1,000万円

先述のとおり、万が一、金融機関が破たんした場合でも、定期預金は預金保険制度の対象となっています。利息の付く普通預金や定期預金等を合算した金額が、金融機関ごとに1人あたり1,000万円までの元本とその利息は保護されます。
逆に言えば、1,000万円を超える預金は保護されませんので、預入金額が1,000万円を超える場合は、金融機関を分散して資産を守るようにしましょう。

定期預金を検討するために必要なこと

定期預金を検討するために必要なこと

ここまで、定期預金について、概要ならびにメリット・注意点について解説しました。
さらに、次の点にも注意しましょう。

定期預金で資産を増やすことは現状では難しい

現状の日本の定期預金は超低金利であるため、定期預金だけで資産を増やすことは難しいと言えます。
金融機関も資産を増やしたいお客さまのニーズを反映し、定期預金といったリスクのない商品から徐々に利益を期待できるリスク商品(投資信託など)への提案へ舵を切っていることも事実です。

定期預金を組み入れた新商品もある

定期預金で資産を守りながら、リスク商品をセットにして運用益を目指す商品も販売されています。このセット商品であれば、定期預金金利が年率1.0%のものもあります。
定期預金は、金利はあまり期待できませんが、元本割れの心配がありません。ライフイベントにかかる費用を確実に準備するなら、やはり定期預金が適しています。

定期預金は、各金融機関の主力商品でもあります。ネット銀行などの少しでも金利が高い金融機関を視野に入れることや、期間限定で実施している金利上乗せキャンペーンをこまめに調べて預けるのも一案です。
資産を守るためには、定期預金も賢く活用しましょう。

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