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「がん保険に入っておけばよかった」と後悔する前に知っておきたいこと

目次

現在は、2人に1人以上ががんになる時代です。*1がんに罹患すると、入院や手術、通院治療などで高額な医療費がかかる可能性があります。

がんの医療費負担をカバーするために、がん保険への加入を検討している方も多いのではないでしょうか。がんに罹患したあとに「がん保険に入っておけばよかった」と後悔しないためにも、保険に関する情報を集めることは大切です。

本記事では「がん保険に入っておけばよかった」と後悔する人の特徴や、がんの治療で必要となる治療費などを解説します。

 *1 国立がん研究センター 最新がん統計
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html

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「がん保険に入っておけばよかった」と後悔する人の特徴

PCを見ながら悩む夫婦


がん保険に入っていない状態でがんに罹患すると、さまざまな理由から「がん保険に入っておけばよかった」と後悔する可能性があります。
具体的に、どのようなケースが考えられるのか解説します。

治療費を払う金銭的余裕がなく希望する治療がうけられなかった方

がんの治療を受ける際に十分な貯金がないと、経済的な理由から自身が希望する治療を受けられない場合があります。がんの治療法にはいくつか種類があり、すべてのがん治療が公的医療保険制度の対象ではありません。

例えば、先進医療の技術代は公的医療保険適用外で、全額自己負担となります。(※)中央社会保険医療協議会「令和4年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」によると、がんの治療で用いられる陽子線治療の1件当たりの技術料平均額は2,692,988円でした。*2

ほかにも、入院時の差額ベッド代・食事代や医療用ウィッグ、病院への交通費などの出費は公的医療保険において全額自己負担です。また、がんは再発や転移の可能性があり、入院するたびに治療費だけでなく差額ベッド代(個室、もしくは定員人数が少ない部屋を利用する場合)の支払いが必要となります。

がんの治療費は、ほかの病気と比べて高額になりやすいことから「家計への負担が想像以上に重く、がん保険に入っておけばよかった」と感じる可能性があります。

*2 厚生労働省 令和4年6月30日時点における先進医療に係る費用
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001058546.pdf(p.4)

がん治療に伴い家族に負担をかけてしまうおそれのある方

がんの治療に伴って、家族に負担をかけてしまうケースも考えられます。現役で働いているときにがんに罹患すると、症状によっては療養で仕事を休む必要が出てきます。

健康保険に入っている会社員が長期療養した場合、最長で1年6か月間は健康保険の傷病手当金が支給されるとはいえ、支給額は標準報酬月額約3分の2です。*3収入が減ってしまうことから、家族の生活に悪影響が出てしまうおそれがあります。

がんの治療が長引けば収入が減る期間も長くなります。場合によっては、子どもの進学資金や老後資金のために貯蓄を取り崩す必要に迫られる可能性も考えられるでしょう。

その結果、子供が希望している進学をかなえられなかったり、老後資金が心もとなくなったりするリスクがあります。

経済的な負担だけでなく、通院の付き添いの手間や体調面を気にかけることに伴う心労など、精神的な負担をかけてしまうおそれもあります。抗がん剤を服用すると、嘔吐や強い倦怠感などの副作用が伴うことから、家族に心配をかける場面が増えがちです。*4

このように、がんは本人だけでなく家族にも経済的・精神的負担を強いる可能性があります。

*3 全国健康保険協会 病気やケガで会社を休んだとき
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3040/r139/
*4 国立がん研究センター
https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/division/pharmacy/kouganzai/index.html

がん治療後の保険加入が難しい方

がん保険に入ろうと思っても、保険会社の審査に落ちてがん保険に加入できないケースがあります。加入していない状態で一度がんに罹患すると、がん保険に入りたくても入れないという状況になりかねません。

がん保険は加入時に健康状態の告知を必要とする場合があるのが一般的で、必ず加入できるとは限りません。*5がんに罹患した方でも加入できる「引受基準緩和型」のがん保険がありますが、一般的な保険よりも比較的、保険料が高く設定されているというデメリットがあります。

このように、自分に保険が必要になったとしても、必ずしも入りたいがん保険に入れるとは限らない点には注意しましょう。

*5 FWD生命 がん保険の告知義務とは?
https://www.fwdlife.co.jp/content/knowledge-gan/gan08.html

がん保険に入っておけばよかったと後悔する前に知っておきたいこと

グラフなど資料


がん保険に加入する前に、がんに関するデータを確認しましょう。
以下で、がん保険の加入率やがんの治療費の目安などを解説します。

日本人の死因で最も多いのはがん

厚生労働省の資料によると、令和4年における日本人の死因で最も多かったのはがん(悪性新生物)でした。*6日本全体の死亡者数の24.6%を占めており、4人に1人ががんで亡くなっていることがわかります。

令和4年は、38万5787人ががん(悪性新生物)で亡くなっています。がんは全員が罹患するわけではありませんが、多くの方が命を落とす病気である点に留意する必要があるでしょう。

*6 厚生労働省 令和4年(2022) 人口動態統計月報年計(概数)の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai22/dl/gaikyouR4.pdf

がん保険の加入率は?

公益財団法人生命保険文化センターの調査によると、令和4年におけるがん保険・がん特約の加入率は39.1%でした。*7約4割の方が、保険でがんに備えていることがわかります。

男女とも40歳代の加入率が最も高く、女性は半分を超え、男性も46.4%に達しています。20代の方でも男性が14%、女性が21.9%、30代の方でも男女ともに4割以上が加入しています。*8

一般的に、がんの罹患率は年齢が上がるほど上昇します。*9しかし、一度がんに罹患すると自分が希望しているがん保険に加入できない可能性が高まることから、20代や30代から加入する人も一定数いると考えられます。

*7 公益財団法人 生命保険文化センター 特定の病気などに備える生命保険の加入率は?
https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/9156.html
*8 公益財団法人 生命保険文化センター 特定の病気などに備える生命保険の加入率は?
https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/9156.html
*9 厚生労働省 平成31年(令和元年)全国がん登録 罹患数・率 報告
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000942181.pdf

がんの治療費は?

全日本病院協会によると、公的医療保険適用前のがんに関する治療費平均額は以下の通りです。

  • 胃のがん:996,965円
  • 結腸のがん:978,567円
  • 直腸のがん:1,150,026円
  • 気管支および肺のがん:913,065円*10

自己負担割合を3割とした場合、公的医療保険適用後の自己負担額はおおむね30万~40万円と計算されます。また、健康保険制度には「高額療養費制度」があるため、一般的な月収(標準報酬月額28万~50万円)の方は毎月の治療費を8万~10万円程度に抑えられます。*11

しかし、がん治療のすべてが公的制度に含まれるとは限りません。開発中の試験的な治療法や薬、医療機器を使った治療や、重粒子線治療や陽子線治療といった先進医療の技術料は全額自己負担(※)です。*12

ほかにも、手術後の入院で個室や人数の少ない部屋を希望する場合は差額ベッド代が発生します。例えば、差額ベッド代が1泊1万円だと仮定し、10日間入院すると10万円が自己負担額となります。

*10 公益社団法人全日本病院協会 医療費(重症度別)【年間】
https://www.ajha.or.jp/hms/qualityhealthcare/pdf/2022/all/2022all_outcome_acute_09a.pdf
*11 全国健康保険協会 高額な医療費を支払ったとき
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3030/r150/
*12 https://ganjoho.jp/public/institution/backup/public_insurance.html

がん保険に加入することで受けられる保障内容は?

机に広げた資料を指さしている様子


がん保険の種類によって、保障内容は異なります。受け取れる給付金の種類やタイミングが異なるため、加入前に保障内容の確認は欠かせません。

以下で、がん保険に加入することで受けられる主な保障内容を解説します。自分と家族が安心して生活するためにも、給付金の内容や所定の受け取り条件をチェックしましょう。

診断給付金

診断給付金とは、がんと診断された際に受け取れる給付金です。一時金で受け取れるケースがほとんどで、がんの治療に備えるための費用や、当面の生活費に充てられます。

受け取り回数が1回のみの保険商品と、複数回にわたって受け取れる保険商品があります。複数回受け取れるがん保険でも「1年につき1回まで」など、一定の条件が設定されているケースが多く見られます。

がん入院給付金

がん入院給付金とは、がんの治療で入院した際に、入院日数に応じて支払われる給付金です。保険加入時に入院日額や受け取り可能な上限日数を決め、契約内容に基づいて給付金を受け取れます。
「1日当たり〇円」のような形で受け取り、保険商品によっては日帰り入院から保障されます。

がん通院給付金

がん通院給付金とは、がんの治療で通院した際に受け取れる給付金です。がん治療で入院したあとの通院のみを保障対象としている商品や、がん治療で入院をする期間前後の通院を保障対象としている商品があります。

通院給付金は、基本保障の内容に含まれているケースと、特約として付加することで受け取れるケースに分かれます。また、退院時に一時金として支給されるタイプもあるため、加入前に受け取り条件を確認しておくとよいでしょう。

がん手術給付金

がん手術給付金とは、がんの手術を受けたときに受け取れる給付金です。給付金額は「がん入院給付金日額の10倍~40倍」といった形で設定されているケースが多く、中には給付金を具体的な額に設定している保険もあります。

手術を受けるたびに給付金を受け取ることができ、受け取りの上限回数は設けられていないのが一般的です。

先進医療給付金

先進医療給付金とは、先進医療を受けたときに受け取れる給付金です。先進医療は技術料が全額自己負担となりますが(※)、先進医療給付金が付いたがん保険に加入すれば経済的負担を軽減できます。

受け取れる保険金額は「自己負担と同額(通算2,000万円まで)」といったように設定されているケースが一般的です。

がん死亡給付金

がん死亡給付金とは、がんで亡くなった場合に遺族が受け取れる給付金です。がん保険によっては、がん以外の原因で死亡した場合でも給付金を受け取れます。

給付金額は「がん入院給付金日額の10倍~100倍」といったように設定されるケースが一般的です。

生存給付金

生存給付金とは、特定の期間生存していることで受け取れる給付金です。保険によっては「祝い金」という文言を用いています。

生存給付金の受け取れる条件は、保険会社によって異なります。また、保険会社によっては生存給付金を受け取らず、保険期間満了まで保険会社に預けられるがん保険があります。*13

※「先進医療に係る費用」は全額自己負担ですが、通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)の費用には健康保険が適用されます。

*13 https://faq.himawari-life.co.jp/%E7%94%9F%E5%AD%98%E7%B5%A6%E4%BB%98%E9%87%91%EF%BC%88%E3%81%BE%E3%81%9F%E3%81%AF%E6%88%90%E9%95%B7%E7%A5%9D%E9%87%91%EF%BC%89%E3%81%AE%E3%81%99%E3%81%88%E7%BD%AE%E3%81%8D%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F-63904b144a99ab001d4e4940

がん保険に入っておけばよかったと後悔する前に相談を

がん保険に加入しようとしても、健康状態や既往歴によっては希望しているがん保険に加入できない可能性があります。がん保険に未加入の状態でがんに罹患すると、自分や家族に経済的・精神的負担を強いてしまい「がん保険に入っておけばよかった」と後悔することになりかねません。

がんに罹患すると、入院費用や手術費用などで治療費がかさみがちです。がんに対する経済的な備えが欲しい方は、がん保険への加入を検討したほうがよいでしょう。

がん保険に加入すべきか迷っている方や、自分にがん保険が必要かどうか判断できない悩みを抱えている方は、ソナミラのコンシェルジュへ相談してみてはいかがでしょうか。

ソナミラでは店舗もしくはオンラインで無料の保険相談を行っており、保険の選び方や将来のライフプランも含めて専門家に相談できます。

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  • 著者
    柴田 充輝さん

    不動産業界で6年間勤務後、保険業界に転職して家計相談や保険の見直し等を行っている。金融関係の記事を多数執筆。資産運用やクレジットカード、カードローンなど、これまでに1,000記事以上の執筆経験がある。

  • ソナミラ編集部さん

    「健康で豊かなミライにソナえる」をコンセプトに、マネー・ライフデザインをテーマとしたコンテンツを発信しています。 あなたの可能性を広げるため、読んでためになったと思える記事の制作を心掛けています。

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