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医療保険に複数加入するメリットとデメリット|何件まで加入できる?

目次

病気やケガに対する備えとして多くの方が加入している、医療保険。「保障を見直して充実させたい」「担当者から新しい保険を勧められた」など、さまざまな理由で新しい保険への追加加入を検討している方もいるはずです。

しかし、複数の保険に入っていても、しっかり給付金は請求できるのか、そもそも医療保険は複数入れるのか、など気になっている方もいるでしょう。

 医療保険に複数加入すること自体は可能ですが、すべての方にとって最良の選択肢であるとは限らないため、メリットがあると感じた場合に複数加入することを検討してみましょう。

 本記事では、医療保険は何件加入できるのか、複数加入するメリットをデメリットとあわせて解説します。無駄なく安心できる形で保険に加入したい方は、参考にしてみましょう。

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医療保険は複数加入できる?

胸に手を当てて話を聞く男性

民間の医療保険は、年齢や健康状態など、保険会社の定める加入条件を満たせば、原則として複数加入することができます。同じ保険会社の別の医療保険に複数加入することや、別々の保険会社の医療保険に複数加入することも可能です。

それぞれの医療保険の支払事由に該当していれば、保障内容に従って給付金を受け取れます。また、複数の医療保険に加入していたとしても、公的医療保険制度や高額療養費制度(※)もそれぞれの適用条件を満たせば利用可能です。そのため、複数の医療保険に加入しておけば、病気やケガで入院・手術をしたときの自己負担額を大幅に抑えられるかもしれません。

※高額療養費制度とは、1か月(1日から月末まで)に窓口で支払った医療費が、自己負担限度額(金額は所得によって異なる)を超えた場合、超過分が後日払い戻される制度のこと。

なお、がん保険も基本的には複数加入できます。

医療保険に複数加入するメリット

医療保険の案内資料


複数の保険を組み合わせて加入すると、病気やケガになったときに生じるリスクを幅広くカバーできます。医療保険に複数加入しようと検討している方は、自分にとってメリットがありそうか、確認してみましょう。

受け取れる給付金額が増える

医療保険の多くは、支払った治療費に関係なく契約内容に応じた給付金を受け取れる「定額給付方式」を採用しています。そのため、複数の医療保険に加入し、それぞれの保険から給付金を受け取れば、給付額は増え、入院時の経済的な負担を大きく軽減できる場合があるでしょう。

たとえば、10日間入院して10万円を自己負担したとしましょう。入院給付金日額1万円の医療保険に加入している場合、受け取れる給付金額は10万円です。一方、入院給付金日額1万円の医療保険を2商品契約していれば、20万円を受け取れることになります。この場合、治療費を賄うだけではなく、給付金額と自己負担額の差額である10万円で、入院に伴う収入の減少分をカバーするといった使い方も可能です。

なお、定額方式ではなく「実損填補方式」で支払われる医療保険もあります。実損填補とは、契約時に定められた保険金額を上限とし、実際に通院や入院によって発生した損害額を補償する考え方です。この場合は複数の商品に加入していても、実際に支払った治療費を超える金額は受け取れないので注意しましょう。

幅広い備えができる

医療保険に複数加入することで、幅広いリスクに備えられるようになります。
たとえば「入院給付金日額1万円」でほかに保障が一切付いていない医療保険に加入しているとしましょう。もし入院が数日で終わり、退院後の通院が長引いた場合、給付金がほとんど受け取れない可能性があります。

一方、「入院給付金日額1万円」の医療保険と、「入院給付金日額5,000円、退院後の通院給付金日額5,000円」の医療保険の両方に加入しておけば、入院と通院どちらに対しても給付金が支払われるため、経済的な負担を減らせるでしょう。

長期入院になるか、通院が長くなるかは予測できないため、さまざまなリスクを想定して保険に加入しておくことで、もしもの事態に備えやすくなるということです。
医療保険ごとに保障の範囲や強みは異なります。自身の年齢や性別などを考慮しながら、複数の保険を組み合わせることで、必要な保障をそろえられる可能性が高いでしょう。

保障が受けられないリスクを分散できる

複数の保険に加入していれば、「せっかく加入しているのに給付金が支払われない」といった事態を防げるかもしれません。

  • 加入している保険が1つだけの場合に考えられるリスクの例1:保険会社の経営が破綻

複数の保険に加入しておくことは、保険会社が経営破綻するリスクに備える手段として有効です。もし生命保険会社が経営破綻した場合でも、契約がすぐになくなるわけではなく、「生命保険契約者保護機構」の下で一定の保障を受けられますが、給付金額は削減される可能性があります。その結果、必要とされる額に対して給付額が不足することもあるでしょう。

また、保険会社の破綻を理由にほかの保険に乗り換えようとする場合も、年齢や健康状態によっては新しい保険に加入できず、無保険状態に陥るリスクがあります。しかし、複数の保険会社で保険に加入している場合、もし契約している保険会社の1つが破綻したとしても、他の保険会社での保障は継続される可能性があります。そのため、リスクを分散する意味で複数の保険会社に加入しておくと、より安心できるでしょう。

  • 加入している保険が1つだけの場合に考えられるリスクの例2:保障を受ける条件が満たせていない

医療保険では、給付金の支払事由が保険会社によって異なるため、支払事由に該当しない場合には給付金を一切受け取ることができません。これは、一つの保険会社に絞って医療保険に加入している場合、支払い条件を満たせず、給付金を受け取れないリスクがあることを意味しています。

たとえば、手術給付金に関しては、保険会社が定める88種類の手術を対象とする保険や、公的医療保険制度の対象となる約1,000種類の手術を対象とする保険などが存在します。どちらも主な手術については保障対象としているケースが多くなっていますが、一方の保険では給付金を受け取れる手術であっても、他方では受け取れないという状況は十分に考えられるでしょう。

また、複数の医療保険に加入していたとしても、カバーする範囲が同じであれば、給付金を受け取れないことは十分あり得ます。
このようなリスクを軽減するためにも、複数の医療保険に加入しておくことが有効です。保障を受ける条件が異なる保険会社の保険に加入することで、より多くの状況で給付金を受け取れる可能性が高まります。

相談者や利用できるサービスが増える

複数の医療保険に加入していると、保険に関する相談ができる窓口が増えるというメリットがあります。それぞれの保険会社が提供する相談窓口やサポートサービスを利用できるほか、対面で生命保険会社や保険代理店の営業担当者から医療保険に加入した場合は、さまざまな専門家からアドバイスを受けることが可能です。保険の見直しを検討する際にも、さまざまな視点での意見を聞くことで、最適な保障プランを組みやすくなるでしょう。

また、多くの保険会社では加入者専用の付帯サービスを提供しています。24時間体制の健康相談サービスやセカンドオピニオンサービス、レジャーやグルメの優待サービスなど、無料で利用できるサービスを提供しているケースも少なくありません。複数の保険会社で保険に加入していれば、それだけ多くの種類の付帯サービスを利用できます。多くのサービスを利用できれば、満足感を得やすくなるでしょう。

保険を解約するハードルが下がる

保険は一度加入してしまえば終わりではなく、自身のライフステージや状況に合わせて定期的に見直すことが重要です。しかし、保険の解約に抵抗感を覚える方は少なくありません。
たとえば、「これまで支払ってきた保険料が無駄になる」と感じる方は少なくないようです。しかし、複数の保険に加入していれば、1つの保険に対する依存度が低くなり、解約に対する心理的なハードルは下がるでしょう。

また、「解約したら病気になりそうな気がする」と不安を抱く方もいます。たしかに、保険を見直す過程で既存の保険を解約し、新しい保険への加入を検討する際、新しい保険の引き受けができないケースは決して少なくありません。新しい保険の引き受けが完了する前に元々の保険を解約すると、無保険の状態で病気やケガにかかるリスクがあります。

しかし、複数の保険に加入していれば、ほかの保険で一定の保障が確保されているため、保障が途切れるリスクを減らすことができます。これにより、安心して保険の見直しに臨めるようになるでしょう。

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医療保険に複数加入するデメリットは?

医療保険の案内資料

複数の医療保険に加入すると、保険契約や給付金請求の手続き、契約の管理などが大変になる可能性があります。保険料が家計の負担になる可能性もあるため、明確な理由がないまま、「安心だから」といくつも医療保険に加入するのはおすすめできません。

加入手続きを複数回行う必要がある

複数の医療保険に加入しようとすると、契約手続きを何回も行うことになるため、手間や時間がかかるというデメリットがあります。
医療保険に加入するためには、申込書類の記入、健康状態の告知、契約内容の確認など、さまざまな手続きが必要です。保険会社や加入するプランによっては、医師の診断書や健康診断の検査結果など、追加書類の提出が必要になることもあります。

さらに保険会社が違う場合は、それぞれの担当者に会ったり、窓口に連絡したりしなければなりません。初めて保険に加入する方や、保険の知識が乏しい方にとっては、煩雑で時間がかかる作業に思えるでしょう。

複数の医療保険に申し込む際は、複数の保険会社の商品を取り扱う保険代理店を利用して申し込むのがおすすめです。保険を複数比較しながら提案してもらうことができるほか、複数の手続きを一人の担当者がサポートしてくれるため、手続き全体をスムーズにかつ安心して進められるでしょう。

保険料の支払額が増える

医療保険に複数加入すると、それぞれの保険料を支払う必要があるため、負担が重くなる可能性があります。家計に占める保険料の負担が大きくなると、いわゆる「保険貧乏」の状態になりかねません。
あらかじめ予算を決めてから加入することをおすすめします。また毎月の保険料を「見える化」するためにも、支払先は一つの口座・クレジットカードにまとめたほうがよいでしょう。

管理が煩雑になりやすい

複数の医療保険に加入することで、管理が大変になる可能性があります。なぜなら、保障内容や特約、保険料の支払期間、給付金の請求方法などは商品それぞれで異なるためです。
加入している内容を把握しきれなくなった結果、ライフスタイルに合わない保障に加入し続けていることに気づけなかったり、請求漏れが生じたりする可能性があります。

また、住所変更や名義変更、受取人の変更なども、それぞれの契約ごとに手続きをしなければなりません。
複数の医療保険に加入した場合は、保険証券をファイリングして一つにまとめておきましょう。1年に1回は保障内容を見直すことをおすすめします。

給付金の請求に手間がかかる

給付金の請求に手間がかかる点も複数の医療保険に加入するデメリットの一つです。
複数の医療保険に加入している場合、保険会社ごとに請求手続きをしなければなりません。請求プロセスは保険会社によって異なる場合も多く、その都度手続き方法や必要書類を確認する手間がかかります。

また、医師の診断書も、それぞれの保険会社の指定する書式に沿って作成する必要があり、都度、診断書の発行費用がかかります。医療機関にもよりますが、診断書は1通あたり1万円程度かかる場合もあり、公的医療保険や医療費控除の対象外なので、負担が重くなることもあるでしょう。

医療保険に複数加入するときの注意点

指さしするスーツの女性

複数の医療保険に加入するときは「保障の重複」をチェックすることが大切です。重複している場合は、無駄な保険料を支払うことになるだけではなく、給付金を受け取れないケースも出てくるため、注意しましょう。

保障内容の重複を避ける

医療保険に複数加入する際は、意図しない保障内容の重複を避けましょう。
同種の保障に複数入っていたとしても、それぞれから給付金を受け取れる点は、医療保険に複数加入するメリットです。しかし、保険料が高額になったり、管理が大変になったりなど、デメリットがメリットを上回る可能性もあります。

「入院した際は個室を利用したいので入院給付金を増やしておきたい」」「がんが怖いのでがんに対して手厚く備えたい」など、明確な理由がある場合は、医療保険に複数加入する意味はあるでしょう。しかし「たくさん入っておけば安心だろう」「担当者に勧められたからとりあえず入っておこう」などの理由で安易に加入する保険を増やすのは避けたほうが無難です。

先進医療特約は重複して付加できない場合もある

多くの保険会社では、同一の保険会社内での先進医療特約の重複加入が認められていません。一方、異なる保険会社の保険商品に加入し、それぞれに先進医療特約を付加することは可能です。

ただし、給付金請求時の対応は保険会社によって異なりますので、各社の取扱規定や条件を事前に確認することが重要です。一般的には、複数の保険会社に対してそれぞれ給付金の請求をしても、先進医療特約の給付金を二重で受け取ることはできないとされています。

保険金や給付金には上限がある

加入者の年齢や職業、収入、他社との通算などによって、保険金や給付金の支払い上限が決められているケースがあります。給付金を受け取るリスクの高い方の請求を無条件に受け付けてしまうと、保険料負担の公平性が保てなくなってしまうからです。複数の医療保険に加入していたとしても、希望する金額を必ず受け取れるとは限らないので注意しましょう。

たとえば、危険度が高いとされる高所作業員やドライバーなどは、受け取れる保険金・給付金が少ない傾向にあります。実際に加入できる金額や受け取れる金額は個人の状況によって異なるので、保険会社や代理店の担当者、保険会社の窓口に確認してみましょう。

医療保険に複数加入するメリットは大きい

医療保険は複数加入することで、より保障が手厚くなり、幅広いリスクに備えられるようになる、といったメリットがあります。保険料の負担は増える可能性が高いものの、保障内容に重複する部分がないか確認しながら加入すれば、無駄や漏れのない、合理的な形で保障を準備できるでしょう。

ただし、既契約の保障内容や、被保険者の職業によっては一定金額までしか給付金が支払われないケースもあるため、注意が必要です。

「万が一に備えて保障を増やしたい」「保険はたくさんあって選べない」とお悩みの方は、保険やお金のプロに相談することをおすすめします。複数の保険商品を取り扱う保険代理店「ソナミラ」では、専門知識を持った複数のコンシェルジュがアドバイスし、あなたの保険選びをサポートします。都合に合わせて、オンラインまたは店舗、どちらでも相談可能です。

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  • 著者
    荒木 和音さん

    保険代理店にて、個人を対象とした家計相談やライフプランニング、企業向けのリスクコンサルティングを経験。現在は金融分野専門ライターとして活動中。大手金融機関や大手金融メディアでの豊富な執筆実績をもつ。

  • ソナミラ編集部さん

    「健康で豊かなミライにソナえる」をコンセプトに、マネー・ライフデザインをテーマとしたコンテンツを発信しています。 あなたの可能性を広げるため、読んでためになったと思える記事の制作を心掛けています。

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ソナミラ株式会社 金融商品仲介業者  関東財務局長(金仲)第 1010号