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フィットネス・プロデューサーAYAさん「ヘルシーボディ」が美の新基準?美しくあるための心と体の整え方とは

フィットネス・プロデューサーAYAさん「ヘルシーボディ」が美の新基準?美しくあるための心と体の整え方とは

「美のカリスマトレーナー」として、多くの著名人から絶大な支持を得ているAYAさん。ストイックに鍛え上げた体と抜群のファッションセンスを武器に、モデルとしても活躍しています。一方で、アメリカ・カリフォルニア発祥のトレーニングの国内における第一人者となり、独自のプログラムで多くの女性の体を改善してきた実績も。2022年には、初プロデュースとなるジムをオープンさせ、ライフスタイルにも考慮した指導・サポートに力を注いでいます。今回はそんなAYAさんから、世界基準の「美しい体」の考え方や心身の整え方についてお聞きしました。

目次


  1. フィットネスを通じて、ライフスタイル全体を変えていきたい
  2. コロナ禍でストレスとの付き合い方を考えるように
  3. 「細いほど美しい」は間違い!食事と運動でヘルシーボディを目指す

フィットネスを通じて、ライフスタイル全体を変えていきたい

――まず、AYAさんの「フィットネス・プロデューサー」という仕事について教えてください。

AYA:私の仕事の軸は、フィットネス・インストラクターとしてトレーニングを教えることです。主に、2022年12月にオープンした自分のジムで活動しています。私自身、フィットネスに出合って人生が変わったと考えているので、「衣食住+運動」と「日本総フィットネス化計画」をスローガンに、運動が当たり前の文化を日本に根付かせることを目標としています。そのために、トレーナーとして活動しながら、運動の大切さを発信しているのです。さまざまなメディアに出たり全国でイベントを開催したりすることで、ちょっとでも見ている方の心を動かし「運動しなくちゃ」という気持ちになってもらえたらと思っています。

フィットネスを通じて、ライフスタイル全体を変えていきたい

――フィットネス・プロデューサーという肩書きを使っているのは、そういうトレーナーの枠を超えた活動をしていらっしゃるからなんですね。

AYA:そうですね。トレーニングのことに加えて、フィットネスという観点から生活全般について発信していくつもりです。たとえば、「きちんとした食事や良質な睡眠がとれていないと、運動しても効果が薄れますよ」「良質な睡眠をとるために、マインドフルネスで頭のなかをリフレッシュしましょう」「こういうファッションを着こなすために、体を鍛えることが必要ですよね」といったことです。

――運動以外の面でのサポートを始めた理由は何ですか?

AYA:自分自身がフィットネスについて勉強していくなかで、「ライフスタイルを丸ごと改善することも含めてフィットネスだ」というのを感じたんです。自分を追い込んでハードなトレーニングをやってきたからこそ、気づけたことでもあります。一方で、私のように運動が好きな人ならフィットネスの感覚をすぐに身につけられると思いますが、運動が苦手な人やきっかけがない方々ではどうでしょう。そうした方々にうまく伝える方法を考えて、ジムをプロデュースし、フィットネス・プログラムを展開しているというのが現在までの経緯です。

運動以外の面でのサポートを始めた理由

――「ライフスタイルを丸ごと変える」…!それは、具体的にはどのような方法ですか?

AYA:ジムの会員数もふえてきたので、トレーニングだけなくさまざまな専門家と対談するような講習会も今後は展開していきたいと考えています。たとえば、管理栄養士や睡眠の専門家、脳科学者、フィットネス全般に関わるようなジャンルです。あとは、レッスンの前には必ず「フォーカス・メディテーション」をやっています。3〜5分間は呼吸だけに集中して、忙しい脳のなかをリフレッシュし、「これからトレーニングをするぞ」というマインドにリセットしてあげるんです。終わったあとは、「クールダウン・メディテーション」といって、脳と心を整えてもらう時間を作っています。このように、ジム終わりは脳と体を整えて帰っていただくようにしています。

コロナ禍でストレスとの付き合い方を考えるように

――体作りにおいて、ライフスタイル全般を整えるのが必要だというのは、AYAさんご自身がトレーニングをしていくなかで気づいたことなのですか?

AYA:トレーニングを始めた頃から食事が大事だということは知っていましたが、以前は「こんなに体を動かしているんだから大丈夫だろう」と思っていたんです。なので、コンビニのお弁当やファーストフードなどの脂っこいものも平気で食べていました(笑)。確かに運動していれば、ある程度、体質は変わります。だけど、絶対にどこかで限界が来るんですよね。そこから「先に進む(よりヘルシーボディになる)ためにはどうすればいいか」を考えて、食事の改善に着目しました。いざ始めてみると、「昨日はこれを食べたから、今日はこんなに疲れているんだ」とか、食べたものが体に影響していることを感じるようになりました。こうして食事の重要性に気づき、トレーニングと食事の2軸で発信するようになったんです。

コロナ禍でストレスとの付き合い方を考えるように

――なるほど。そこから睡眠やマインドを整えることも必要だと思ったのには、さらに別のきっかけがあったんですか?

AYA:コロナ禍による影響が大きかったかもしれません。これまで当たり前にできていたことが難しくなって、自分と向き合う時間がふえました。そのとき、意外と大きいストレスを抱えていたことや脳のなかが忙しなかったことに気がついたんです。また、苦手だったストレッチにも向き合えるようになり、自分の体の変化にも気がつけるようになりましたね。

――外出が自由にできなくなり、多くの方が感じたことかもしれませんね。それにしても、AYAさんがストレッチが苦手だったなんて意外です。

AYA:そうなんです、すごくストレッチが苦手で。アクティブに動きたいタイプなので、じっくり体をのばす時間が苦痛で、実は「ストレッチなんてやらなくてもいいじゃん」と思っていたこともあるんです(笑)。でも、ストレッチを続けてみたら、自分の体に左右差があることに気づけました。そして何より、ストレッチに向き合ってる時間は脳がストレッチに集中するので、いつも忙しく考えている頭のなかのことがリセットされるんです。すっきりした感覚があるのと同時に、体も気持ちよくなったんですよね。それで、脳と体はリンクしていることに気づき、マインドフルネスを勉強してみようと思いました。

――いわゆる瞑想(めいそう)と呼ばれるものですね。

AYA:人間の脳って複雑で、いろんな思考がいつも渦巻いてるんですよね。そういうストレスを抱えたままでトレーニングしても、あまり効果が出ないんです。まずは食事を改善して体が変わった、その次は心に目を向けて、本当の心技一体を理解した。それで今のAYAがあるという感じですね。

AYAさんがストレッチが苦手だったなんて意外です。

――すべて自分で研究・実践したうえで身につけたメソッドなんですね。

AYA:自分の体で気づいたことって、人にも教えたくなるというか。子どもの頃から、自分が良いと思ったことを人に教えるのが好きだったんです。それが、現在の仕事でも反映されているのかもしれません。

――では、仕事をしていて最も達成感を感じるのはどんな瞬間ですか?

AYA:自分が身につけてきたことを誰かにシェアして、その人に改善が見られたときですね。みんなによくなってほしいし、運動すると心にも体にも良い効果があることって、実際に取り組んでみないと気がつけませんから。その一歩を踏み出せない人たちの手を取って、誘導してあげられたらいいなと思います。

「細いほど美しい」は間違い!食事と運動でヘルシーボディを目指す

――AYAさんは「運動を当たり前の文化に」とおっしゃっていましたが、日本では運動習慣が定着しにくい印象があります。その理由は何だと思いますか?

AYA:体を動かすのが苦手な人は、つらいことが苦手だったり、サボりたくなったりするのではないかと思います。だから、ついつい日常でも階段ではなくエスカレーターを使っちゃう。しかしそれだけの理由ではなく、日本全体で見ると「簡単に痩せる」「これだけで痩せる」などのキャッチーな言葉が流行り過ぎて、より手軽な選択肢に飛びつく傾向になっているのではないでしょうか。一度でもきちんと運動をしてみれば、そうしないと体が反応しないことに気づけると思います。多くの人はその一歩を踏み出すことができないので、そのきっかけをどう作るか考えています。

――確かに、そういったきっかけがないのかもしれないですね。

AYA:そこが私の課題ですね。皆さんは今のAYAしか知らないので、「AYAさんだからできるんでしょ」と思われがちなのですが、私自身腕立て伏せが1回もできないところからインストラクターをスタートしているんです。最初から完璧な人はいません。今の自分にたどり着くまでには、練習や勉強などの努力がありました。なので、「AYAだからできる」とは思ってほしくないですね。

きっかけ

――日本人の、とくに若い女性に関しては「強い体よりも細くて華奢な体が良い」という意識が根強くあるように思うのですが、この考えについてどうお考えですか?

AYA:最近は、美に対する価値観が変わってきているように思います。以前、私がファッションモデルをしていた頃は、痩せているほど美しいとされていました。もともと運動が好きだった私は、ほかのモデルに比べて筋肉質だったので、筋肉を落とすように言われていたんです。そこで、運動をやめて、野菜しか食べない生活をしていたら、肌がボロボロになって、心も荒んでしまいました。細いほど美しいという考えに合わせたら、自分の個性がなくなっちゃったんですよね。身をもって、この考え方は違うなと実感しました。

――そこから、現在のAYAさんのスタイルに変わったきっかけを教えてください。

AYA:そんなときに、「ヴィクトリアズ・シークレット」のファッションショーの動画を見たことです。海外のモデルは筋肉質で足に筋が入っていたり、腹筋が割れていたりと、日本では受け入れられ難い光景でした。日本のように無理して食べない生活でガリガリに痩せたモデルではなく、しっかり食べて運動しているヘルシーボディのモデルがランウェイを歩いている動画を見て、「日本の考え方に合わせる必要はない」「自分らしくいよう」と思えたんです。

そして、フィットネス・インストラクターとモデルと2軸から“日本の美”の価値観を変えようと決めました。ちゃんと食べて運動したら、きれいなヘルシーボディになれるし、心もハッピーになれる。そういうことを発信していきたいと思ったんです。

今、AYAさんにレッスンを受けている方はどういう体を目指している方が多いんですか?

――今、AYAさんにレッスンを受けている方はどういう体を目指している方が多いんですか?

AYA:死ぬまで健康で動き続けられる体を目指して、運動している人が多いですね。私も同じ考え方をもっています。もちろん、美しい体を作るというのもトレーニングの大きな目的の一つだと思いますが、本当のゴールは人の助けを必要とせずに自分自身の生活を守れる筋肉を身につけることだと考えています。いわゆる“筋肉貯金”をしておくために、運動する習慣を若いうちから作っておくべきだと思います。

――確かに、最近は健康寿命を延ばすことに意識が向かっているように思いますね。

AYA:そういった傾向もあり、日本の「細いほど美しい」という価値観は、昔ほどはなくなっているように思います。SNSでは「#トレーニング女子」「#筋トレ女子」といったハッシュタグがふえてきていますよね。どんな理由であれ、運動する人が増えてそれがSNSなどで拡散され、大勢の方がやる気になってくれるなら、素晴らしいことだと思います。

今、AYAさんにレッスンを受けている方はどういう体を目指している方が多いんですか?
  • 取材・文:末光京子
  • 撮影:枝松則之

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