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【2030年問題】平均寿命が100歳の時代になる?長寿社会をどう生きる?

平均寿命が100歳の時代に?

「人生100年時代」という言葉が定着してきました。

実際、日本における100歳以上の人口は2023年9月1日時点で92,139人となり、前年に比べて1,613人も増えています。100歳以上長生きすること自体が、珍しいことではなくなりました。

 

しかしながら、自分自身が100歳まで生きていることを想像するのは、なかなか難しいことかもしれません。

もし、私たちが100歳まで生きることを実感できる時が来るとするならば、日本人の平均寿命が100歳に近づいてきた時ではないでしょうか。

現在の日本人の平均寿命は、次のとおりです。

 

男性:81.05歳

女性:87.09歳

※共に2022年データ

 

平均寿命は年々延びてきています。しかしこれが、100歳になることはあり得るのでしょうか。

今回の記事では、平均寿命が100歳の時代を迎えるとしたら、それはいつごろか、そしてその時どのような備えが必要なのか解説していきます。

目次


  1. 平均寿命の推移から見る将来展望
  2. そもそも人は何歳まで生きる?
  3. 2030年に平均寿命が100歳となる!?
  4. もし本当に平均寿命が100歳になったら?
  5. まとめ

平均寿命の推移から見る将来展望

砂時計

まず寿命に関する現時点のデータを見ていきましょう。
WHO(世界保健機関)がリサーチしている「World Health Statistics 2022」を見ると、ご存じのとおり日本は世界の他の国々と比較して大変長寿の国であることがわかります。

他方、世界の多くの国も平均寿命が70歳に達しています。これからは全世界が日本と同じように長寿社会に突入していきます。
現代の長寿社会に至るまで、世界の平均寿命は、どのように延びてきたのでしょうか。

120年くらい前までの平均寿命は約30歳

人類の歴史でみると、もともと人類は今ほど長生きではありませんでした。
「古代エジプト生活誌」エヴジェン・ストロウハル著(原書房)によると、エジプト時代の庶民の平均寿命は20~25歳くらいだったと書かれています。

そして、1900年になっても世界の平均寿命は31歳、日本の平均寿命は44歳だったと言われています。つまり、20世紀に入ってから一気に世界の平均寿命が延びたと言えるのです。

なぜ、ここまで大きく平均寿命が延びたのでしょうか。
昔は、現在ほど医学が発達していなかったため、ちょっとした病気やケガで命を落としていました。特に乳幼児の死亡率が高かったと言われています。
また、多くの人が栄養失調や飢餓などで苦しみ、生命活動に必要な栄養を十分に摂取できない時代も長く続きました。

急激に平均寿命が伸びた理由を一言で表すのは難しいですが、一般人の栄養状態が平均的に向上したことは要因の一つでしょう。120年くらい前から現在に至るまでに、食生活は大きく変化しました。食生活の改善から、病気に対する抵抗力・免疫力がついた結果、若くして亡くなる人が減り、平均寿命を縮める要因が取り除かれたのでしょう。

歴史上の人物は長生き

では、歴史上の著名人の寿命はどれぐらいだったのでしょうか。日本の歴史上の著名人を例に挙げてみます。

著名人は何歳まで生きた?
  • 聖徳太子:49歳
  • 北条政子:69歳
  • 足利尊氏:53歳
  • 千利休:70歳
  • 徳川家康:75歳

聖徳太子が生きていたとされるのは西暦600年頃ですが、その時代においても49歳まで生きていたとされています。歴史上の著名人は一般庶民と比べ長生きだったようです。おそらく、一般庶民と歴史上の著名人との間には健康に対する意識の差も大きかったのでしょう。

例えば、徳川家康は75歳まで生きたとされていますが、この長寿には麦飯が貢献していたと言われています。麦飯は白米と比べると栄養価が高く、また、よく噛んで食べないといけないので少量で満腹感を得られます。さらに、徳川家康のお膝元である三河地方は八丁味噌や浜納豆、折戸ナスなど様々な特産物が有名です。この栄養価の高さ、バランスの良さが長寿の秘訣だったとも考えられます。

近年の日本の平均寿命の推移

厚生労働省の簡易生命表(令和4年)によると、日本の平均寿命の推移は次のグラフのとおりです。戦後着実に平均寿命が伸びてきたことがわかります。

日本の平均寿命の推移

一方で、2020年を過ぎてからは平均寿命の延びが鈍化していますが、これは新型コロナウィルスの影響だと考えられます。
また、「90歳を迎える者の割合」を見ると、2020年の女性では52.6%となっています。これは女性の約2人に1人は90歳を迎えているということです。今後このまま推移していくと、100歳を迎える人がもっと増える可能性があります。

90歳を迎える人の割合の詳細はこちらにあります。

そもそも人は何歳まで生きる?

遺伝子

これまで平均寿命について書いてきましたが、そもそも人は何歳まで生きられるのでしょうか?
人間の寿命の限界を解明しようとする研究は数多く行われています。その結果の一部をご紹介します。

「人間は非常に運が良ければ130歳まで生きられる」
スイス連邦工科大学ローザンヌ校で統計学教授を務めるアンソニー・デイヴィソン氏が率いる研究チームはこのように結論づけています。

「人間の死亡リスクは年齢と共に上昇するものの、105歳を超えると死亡リスクの上昇が緩やかになる」
ローマ・ラ・サピエンツァ大学の研究チームが、2009年~2015年の間で105歳を超えていたイタリア国民3,836人分のデータを分析して死亡率を算出し、このような結論を示しました。

また、デイヴィソン氏が率いる研究チームは、ローマ・ラ・サピエンツァ大学が用いたイタリア国民のデータに加えて「アメリカ・カナダ・ヨーロッパの11カ国から収集された、110歳に達した高齢者1,100人以上のデータベース」を用いて、年齢と死亡リスクの関係を分析しています。

分析の結果、「人間の死亡リスクの上昇は年齢が上がるほど緩やかになり、110歳を超えると死亡リスクがほぼ一定になる」ことが明らかになりました。また、デイヴィソン氏は下記のように述べています。

「110歳を超えた人は、来年も生きられるか否かを決めるコインを毎年投げているようなもの」

「110歳を超えた人が130歳まで生き残る確率は、コインを20回投げたときに連続で表面が出る確率とほぼ等しい。このようなことが起こる可能性はほとんどない。しかし、110歳を超える人の数が増えれば、21世紀中に130歳に達する人が現れる可能性がある」

現在、100歳を超えている人をセンテナリアン、110歳を超えている人をスーパーセンテナリアンと呼びます。21世紀中には、新しいセンテナリアンも出てくる可能性があるでしょう。

2030年に平均寿命が100歳となる!?

再生医療

ピーター・ディアマンディスが書いた『2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ』では、2030年に平均寿命が100歳となることを予想しています。この予想のもとになる科学的根拠は次のとおりです。

再生医療

2030年までに私たちの身体は、3Dプリンターを活用して古い細胞を新しい細胞に入れ替えて、永遠に動かし続けられるようになると言われています。
例:義足の製造、臓器、耳、脊髄、股関節、義眼

3Dプリンターは既に医療現場に進出しており、そこにiPS細胞が加われば、自らの身体を細胞から再生できる技術が普及していくでしょう。

老いなくなる

スタンフォード大学の研究グループは、「若い血を流し込めば、若返るのではないか?」との発想で、老いたマウスの血液と若いマウスの血液を入れ替える実験を行いました。
その結果、若いマウスの血液を流し込まれたマウスの身体が若返ったのです。逆に、若いマウスに老いたマウスの血液を入れるとそのマウスは老化していきました。

さらに研究を進めていくと、血液に含まれる「GDF11」と呼ばれるたんぱく質が若返りに効果的なことが分かりました。そこで早速マウスにGDF11を注射すると、予想どおり身体が若返ったと言われています。
まだマウスでの実験が成功しただけで、人間に応用できる段階には至っていません。しかし、2030年までには実装される予測が立てられています。

もし本当に平均寿命が100歳になったら?

100歳のバースデーケーキ

科学的には平均寿命が100歳になる未来が見えてきました。
しかし、今の日本が本当に「人生100年時代」に突入したら、どのようなことが起こるのでしょうか?
日本は高い高齢化率で知られています。高齢化率が高いということは、働き手が減る一方で社会保障給付を受ける人が増加しているということになります。このままでは社会保障制度の財政が破綻してしまう可能性が考えられます。

とはいっても、年金制度や健康保険制度が急に無くなることは考えにくく、全く社会保障が受けられなくなるわけではありません。ゆっくりと確実に、給付額や給付率が下がり、保険料が上がっていくことが考えられます。
この状況を国内で打開するにはどうしたらよいのでしょうか。

総力戦で皆が仕事をする

日本は人口減少に直面しています。総務省統計局のデータによると、2022年10月1日時点で日本の総人口は1億2,494万1千人です。前年に比べると55万6千人(−0.44%)の減少となり、12年連続で減少しています。

年齢区分別人口割合の推移

上のグラフは年齢区分別人口の割合の推移(1950年〜2065年)ですが、人口減少は65歳未満で起きていて65歳以上の高齢者が増えていることがわかります。
そのため、企業は労働力不足の影響を受けることになります。労働力不足になると顧客ニーズに応えられなくなり、業績不振につながる可能性が高くなります。

更に少ない人数で働くとなると、一人ずつの従業員の負担が大きくなり、人材が流出し、さらに労働力不足になる負のスパイラルが生じる可能性も否定できません。

そこで、各企業は対策を講じる必要が出てきます。労働力不足対策の一つが「潜在労働力層の活用」です。
例えば、結婚や出産を機に退職し、育児との両立が難しくフルタイムで働けない女性には、働きやすい環境を提供します。働きやすい環境さえ整えば、不足を補う貴重な労働力となりえます。

また、長年培った知識・スキルを持つシニア世代も貴重な労働力となります。定年後の再雇用や中途採用、リスキリングなどを推進することで、継続して労働力を発揮してもらうことも大切です。
「65歳を過ぎても働くのか…」と思われた人もいるかもしれませんが、今の65歳以上の高齢者も働く場があれば、労働に参画したいと考えているようです。

その証拠として、内閣府「令和2年版高齢社会白書」による調査をご紹介しましょう。

何歳ごろまで収入を伴う仕事をしたいか?

全国の60歳以上の男女に何歳ごろまで収入を伴う仕事をしたいか(又はしたかったか)を聞いたところ、全体の59.0%が「65歳以降も働きたい」と考えていることがわかりました。
以前は外国人労働者を増やす選択肢もありました。しかし、日本は治安が悪くなるという理由から、外国人労働者を増やす選択肢を強く推進してきませんでした。

その結果、経済成長できずに失われた30年を過ごしてきました。労働者賃金が上昇しない中で更に円安が続けば、出稼ぎする国としての魅力が弱まっていきます。これでは外国人労働者を増やす選択肢すら消えていくでしょう。
やはり国内で労働力を賄うことを最優先に考え、国民全員が総力戦で労働していくしかありません。

年金開始が70歳以降になる

先に挙げた「年齢区分別人口割合の推移」を見ると、2020年の高齢化率は28.9%に上ります。WHOの規定では、高齢化率7%以上で高齢化社会、同14%以上で高齢社会、同21%以上で超高齢社会とされています。28.9%という割合は超高齢社会よりも更に7%以上高く、前人未到の領域に来ていることを示しています。

日本では既に高齢者が人口の4分の1以上を占めていますが、この状況が続けば、2030年には総人口の約3分の1を高齢者が占めることになります。
年金については、制度を維持させるために「支給開始年齢が70歳まで引き上げられるのではないか」との憶測が度々なされています。既に予兆が見られているため、なお一層現実味が増してきました。

2020年に高年齢者雇用安定法が改正されて、70歳までの就業確保措置が努力義務とされました。そして2022年には、70歳までだった年金の受取開始時期を75歳まで延長しています。
この制度改正の裏には、年金の満額支給年齢を70歳まで引き上げたい意図があるといっても過言ではありません。

年金の受給開始年齢が65歳に引き上げられた時も、似たようなことが行われました。1994年から、65歳までの就業確保措置を努力義務とし、2004年からは原則義務化しています。
そして、2013年からは65歳までの雇用確保が義務づけられました。現在は経過措置期間で、2025年4月から65歳までの雇用確保が義務となります。

企業は雇用を延長するなどして対策することになりますが、65歳以上の高齢者が現代の早いビジネス変化に対応できるかは未知数と言えるでしょう。

大リストラ時代が来る

2019年5月、トヨタ自動車の豊田章男社長(現会長)が「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と発言しています。
昔は「終身雇用」「生涯安泰」が約束されていた大企業でも、早期希望退職を募集するようになっています。

特に近年では、業績好調の企業でもリストラに踏み切るようになってきました。いわゆる「大リストラ時代」が到来したと言ってもよいでしょう。
企業がリストラに踏み切る理由は様々ですが、まず挙げられるのは、これからの時代はAIやロボットが仕事を引き受けるようになるということです。AIの導入により膨大な量の業務が自動化され、人手が不要な仕事が出てきています。

また、先ほど紹介した「高年齢者雇用安定法」ですが、2021年にも改正されました。2021年の改正では、65歳から70歳までの労働者の就業機会を確保するため、「70歳までの定年引上げ」または「70歳までの継続雇用制度」などの措置を講じる努力義務が新設されています。

過去の歴史から鑑みると、現時点では70歳までの雇用確保は努力義務に留まっていますが、いずれ70歳まで定年が引き上げられるでしょう。

企業としては、給料は高いけれど多くの労働力を提供しない高齢者をいつまでも在籍させておきたくないと考えるのが自然でしょう。労働者側も、いずれリストラされるなら、若いうちに早期退職して老後の備えとしてできるだけ多くの退職金をもらおうと考える人が出てきます。

大リストラ時代を迎えるにあたって、働き方を変えていかなければなりません。働ける頭と体を維持することや身を転じるための情報収集力、思考の転換力が必要になってきます。

働き方が変わる

もっと働ける人を増やすためには、一人の人間が複数の企業で効率的に仕事をする環境を整備する必要があるでしょう。また、家庭の事情などでフルタイム勤務ができない人を、細切れの時間を使って労働へ参画させるための取り組みも進むかもしれません。

今後日本は、フルタイム勤務をする終身雇用や年功序列の制度は崩壊し、「ジョブ型雇用」に変わっていくことが予想されます。ジョブ型雇用とは、企業が職務内容・勤務地・時間などの条件を明確化して就業者と雇用契約を結び、就業者は契約の範囲内で働く雇用システムです。

ジョブ型雇用の課題として、人材確保が難しいことや、求められているスキルが不足している場合には離職せざるをえないことが挙げられます。しかし、これからの環境下で生き残るためには、リスキリングで様々な技術を身につけていく必要があるでしょう。

何も対策を講じないと、これからの未来はロボットに仕事を奪われてしまう可能性があります。もしくは、AIを駆使する人に仕事が集中し、AIが理解できない人には仕事が来ない可能性もあります。
ビジネスの流れはますます早くなっていくことが予想されるため、働き方を変え、柔軟に対応していく必要が出てきます。

まとめ

明るい未来

今回の記事では、平均寿命が100歳の時代になるとしたら、どのような備えや対策をしていけばよいのかを解説しました。
2030年には、今の仕事や、今流行っていることが無くなっている可能性があります。

外で電話する時には、緑の公衆電話を使うしかなかった時代に、iPhoneをはじめとするスマートフォンを一人一台持っている時代を誰が想像できたでしょうか。世の中は加速度的に進化しています。
平均寿命が100歳の時代を迎えるのであれば、それなりの対策が必要です。長くなった人生を楽しめるよう健康寿命を延ばし、少しでも収入を増やすために職業寿命も延ばしていく必要があるでしょう。

2030年に向けて、これからの時代をどうやって生き抜いていくかを真剣に考えて動き出す必要があります。
ライフプランを、ひとりで考えることは難しいことかもしれません。誰かと相談しながら、今後の設計を立てることをお勧めします。

ソナミラでは健康で豊かな未来に備えるため、コンシェルジュが皆さまのご相談を無料で承ります。この機会に一度、ソナミラのコンシェルジュと未来についてじっくりと考えてみてはいかがでしょうか。

▼参考
厚生労働省 プレスリリース「百歳高齢者表彰の対象者は47,107人」
1 R5百歳プレスリリース (mhlw.go.jp)
厚生労働省 「平均寿命の国際比較」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life22/dl/life22-04.pdf
WHO世界保健機関 「World Health Statistics 2022」
https://iris.who.int/bitstream/handle/10665/356584/9789240051140-eng.pdf?sequence=1
IMF「World Economic Outlook Database 2023」
International Monetary Fund - IMF
厚生労働省「厚生労働白書_社会保障と経済成長」年齢区分別人口割合の推移
図表1-2-7 年齢3区分別人口及び人口割合の推移と予測|平成29年版厚生労働白書 -社会保障と経済成長-|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
内閣府「令和2年版高齢社会白書」第3節 <特集>高齢者の経済生活に関する意識(2)
2 就業の状況|令和2年版高齢社会白書(全体版) - 内閣府 (cao.go.jp)

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