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終身保険の解約はもったいない?後悔しないためのポイント

目次

終身保険は解約しない限り一生涯の保障を持つことができます。また、解約返戻金型終身保険の場合、解約すると解約返戻金が受け取れるため、保障を持ちながら教育資金や老後資金の貯蓄として活用することができます。

ただし、解約のタイミングや加入している商品によっては注意が必要です。本記事では、終身保険を解約するのはもったいないのか、解約するときに後悔しないためのポイントをお伝えします。

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終身保険を解約するともったいないと言われる理由電卓を持ちながら悩む女性

終身保険を解約すると「もったいない」と言われることがあります。ここではその理由を4つのポイントにまとめます。

保障がなくなる

終身保険を解約すると基本保障はもちろん、特約などすべての保障がなくなります。万が一の際、ほかに加入している保険や貯蓄で必要保障額をカバーできない場合は、家族に経済的負担がかかる可能性があります。

元本割れすることがある

終身保険を解約するタイミングによっては元本割れする場合があります。元本割れとは、支払った保険料よりも解約時に受け取るお金(解約返戻金)が少額になることです。

再加入しにくくなる

終身保険に限らず、多くの生命保険商品は一度解約すると再度加入することが難しい場合があります。たとえば、最初に終身保険に加入したときは健康状態が良好で保険加入時に問題なく診査が通ったとしても、その保険を解約して新たに終身保険に加入する際には、改めて診査が必要になります。

その診査で保険会社既定の健康状態ではなかった場合は、保険料の割増、保険金額の削減といった特別条件や特定の部位を保障適用外とする特定部位不担保が付加される、もしくは新規加入できない可能性が出てきます。また、一度解約した保障は元に戻す(保障を復活させる)ことはできません。 

同じ保険に入れなくなる

保険商品は、一定期間経過すると保障内容や予定利率(生命保険の契約締結時に契約者へ約束する運用利回り) が変更されることがあります。加入している終身保険を解約した後、同じ保険商品が販売されていない場合は再度加入できません。また、同じ商品が販売されており再度加入できても、最初に加入した商品から約款の改定がある、予定利率が変更されているといった場合もあります。

【出典】
生命保険文化センター「生命保険に関するQ&A Q解約する場合の留意点は?」
https://www.jili.or.jp/knows_learns/q_a/life_insurance/160.html

終身保険を解約するとどうなる?

資料を指さしながら説明をする様子

では、終身保険を解約するとどうなるのでしょうか。メリットとデメリットをお伝えします。

終身保険を解約するメリットとして、保険料の負担がなくなります。解約返戻金型終身保険の場合、支払う保険料に保障部分と貯蓄部分があり、貯蓄性のない掛け捨ての定期保険と比較して払込保険料が高く な るため、解約することで家計負担の軽減につながります。 また、解約時に受け取る解約返戻金を教育資金や老後資金に活用することもできます。

一方デメリットとして、今加入している終身保険を解約後、新たに終身保険に加入する場合は一般的に加入時点の年齢で保険料が決まるため、保険料が高くなる場合があります。また、解約すると先述した通り保障がなくなるため、基本保障はもちろん、特約などすべての保障がなくなります。解約する前に他の保険や貯蓄などで万が一の際の必要保障額をカバーできるか確認しましょう。    

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終身保険の解約で後悔しないためのポイント
笑顔でスマホを操作する女性

これまで終身保険を解約するともったいないと言われる理由、解約するメリット、デメリットについて触れてきましたが、ここでは終身保険を解約するときに後悔しないためのポイントを4つお伝えします。

解約返戻金の確認

終身保険に限らず、養老保険や個人年金保険、学資保険などの貯蓄型保険を解約する場合は、解約時の解約返戻金額を確認しましょう。

貯蓄型保険は保険契約時に「保険料払込期間」 を設定します。たとえば10年間や60歳までといった期間を区切った払い込み、一生払い続ける終身払い、商品によっては1回で保険料を全額支払う一時払いなどがあります。     

また、貯蓄型保険は支払った保険料の一部が積み立てられ、解約した際に積立金の一部が解約返戻金として払い戻されます。

解約返戻金は、一定の期間内に中途解約すると元本割れをすることがあります。支払った保険料に対する解約返戻金の割合を「解約返戻率(解約返戻金÷総支払保険料)」といいますが、この解約返戻率が100%を下回ると、元本割れになります。

解約した後の保障の確保

解約を検討する際に大切なのは「元本割れをする・しない」だけではありません。保険会社や保険商品によって、死亡保障・特定疾病保障・介護保障などさまざまな種類の商品がありますが、保険契約を解約すると同時に保障はなくなります。

もし、保険料負担を減らしたくても、保障がなくなるのを不安に感じ、ある程度の保障を残しながら今すぐ現金(解約返戻金)が必要といった場合には、「減額」という方法もあります。減額とは、保障の全部を解約せず、一部だけを解約することです。 

たとえば、死亡保険金額が1,000万円の終身保険があったとします。そこで保険金額を700万円に下げる減額手続きを行うと、保障金額300万円の部分は解約となり、それに応当する解約返戻金が支払われます。残りの保障は700万円となり、保険料も下がります。ただし、実際に保険料がいくら下がるのかは商品や特約により異なるため、加入している保険会社に確認が必要です。

プラン変更などの検討

そもそも加入している終身保険を全部解約するという方法でしか問題は解決できないのでしょうか。一度解約した保険契約は元に戻すことができないため、解約する前に他の方法も検討する必要があります。

まず、ご自身の収支を確認し、保障の必要性や保険料負担の金額が今のライフスタイルに合ったものなのか、また、解約に代わる選択肢として、保険の見直しや保険料の引き下げで問題が解決しないのか検討しましょう。

専門家への相談

解約するタイミングによっては元本割れすることは先述しましたが、解約返戻率が100%を超えた場合は一時所得として課税対象となり、受け取る解約返戻金から税金が引かれることがあります。 

どのような保険をどのように受け取るのか、また、保障の見直しが必要かわからないといった場合は、ファイナンシャルプランナー(FP)などの専門家に相談することも検討しましょう。

正しい知識をもって解約をする・しない、減額するなどの判断をすると後悔のない選択ができます

【出典】
生命保険文化センター「保障内容の変更と対応方法 保険金の減額」
https://www.jili.or.jp/knows_learns/basic/change/100.html

国税庁「No.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1755.htm

終身保険を解約するタイミングと注意点

タブレット端末を指さしながら説明をする女性

終身保険を解約するときには、タイミングが重要です。ここでは、どんなときに終身保険を解約すればいいのか、またその注意点についてお伝えします。

まとまったお金が必要なとき

先述の通り、終身保険は貯蓄性があり、解約すると解約返戻金が受け取れます。解約するタイミングとしては、子どもの教育資金や老後資金、介護費用などまとまったお金が必要になったときなどが考えられます。

終身保険はまとまったお金が必要になったときに活用できますが、元本割れをしないタイミングで解約することが大切です。

たとえば、子どもの教育資金を目的として加入する場合、子どもが何歳のときに解約するのかをあらかじめ決めて払込期間を設定します。商品にもよりますが、子どもが0歳の時に大学入学費用を貯め る目的で終身保険に加入するのであれば、保険料払込期間を10年または15年にしておくと、まとまったお金を計画的に準備することができます。

保険の見直しをするとき

家族構成や資産状況などが変化したときは、保険の見直しをするタイミングとして適切です。保険の見直しをすることで、保障を最適化することができるので、定期的に見直すようにしましょう。

その際の注意点として、終身保険を解約すると必要保障金額が不足する場合、新たに別の保障に加入してから終身保険を解約することが大切です。先に終身保険を解約してはいけません

なぜなら、終身保険の解約後、新しい保障に加入するまでの間に保障の空白期間ができてしまうからです。保障が途切れないように解約手続きをしましょう。

もったいない終身保険の解約をしないためには

終身保険を解約する際には、家族構成や資産状況、将来のお金などに目を向ける必要があります。ご自身や家族のお金にまつわる検討事項を考慮し、解約すると決めたのであれば納得のいく結果となるでしょう。しかし、元本割れや保障がなくなるリスクを考慮せず、減額や税金などの制度を知らずに解約してしまうのはもったいないことで、後で後悔することになりかねません。

保険商品の仕組みは大変複雑です。今はネットで簡単に加入手続きができますが、保険商品は何かあったときに自分や家族がしっかり保障されなければ加入する意味が薄れます。また、支払う保険料も無駄になりかねません。

加入時はもちろん、見直しや各種手続きの際に保障の選び方や商品特徴などについて専門家から適切なアドバイスを受けることで、ご自身に合った保険に加入することができます。    

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  • 著者
    石井 麻理子さん

    AFP・FP2級。国内生命保険会社、税理士専門の保険代理店の勤務を経て、現在は国内損害保険会社の研修講師を勤める。自身の経験を活かし、ひとり親専門のFP相談も行っている。また、東京都ひとり親家庭就業推進事業にも携わる。

  • ソナミラ編集部さん

    「健康で豊かなミライにソナえる」をコンセプトに、マネー・ライフデザインをテーマとしたコンテンツを発信しています。 あなたの可能性を広げるため、読んでためになったと思える記事の制作を心掛けています。

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ソナミラ株式会社 金融商品仲介業者  関東財務局長(金仲)第 1010号