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NISAは損切りするべき?損失が出たときの考え方と対処法

豚の貯金箱とNISAと書かれた積み木

NISAで投資をすると、元本割れを起こすリスクが必ず付きまといます。場合によっては、損切りを余儀なくされることもあるでしょう。

損切りは損失を確定させるための行為なので、心理的に受け入れづらいかもしれません。これからNISAで資産運用を始めて、いざ損失が出たらどのように対処すべきか、知りたいという方もいるのではないでしょうか。

 

こちらの記事では、NISAで損失が出たときの考え方と対処法、損切りすべきか判断する際の注意点などを解説します。

 

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目次


  1. NISAで損失が出たら損切りするべき?
  2. NISAで損失が出たときの対処法
  3. 押さえておきたいNISAのデメリット
  4. NISA口座で損失が出ても慌てて損切りする必要はない

NISAで損失が出たら損切りするべき?

PCを見ながらスマホを操作する女性

NISAは投資で得られた売却益や配当金などの利益に対して税金がかからない制度で、正式名称は「少額投資非課税制度」です。投資をする以上は、損失が発生する可能性がある点に留意しましょう。

まずは、NISAで損失が出たら損切りするべきかどうかを解説します。
一般的に、NISA口座で損失が発生しても、慌てて損切りをする必要はありません。損切りをすると、その後に金融商品が値上がりしたときの恩恵を受けられず、利益が非課税になるメリットを活用できないためです。
なお、2024年から始まった新しいNISAの制度の枠組みは以下のとおりです。

  つみたて投資枠 成長投資枠
非課税保有期間 無期限
年間投資枠 120万円 240万円
非課税保有限度枠(総枠) 1,800万円
投資対象商品 金融庁の基準を満たした長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 上場株式・投資信託・ETF・REITなど
購入方法 積立投資 積立投資・一括投資

NISAでは、非課税保有期間が無期限化されました。購入した金融商品が一時的に値下がりしても、期間を気にすることなく値上がりを待てば非課税の恩恵を受けられます。
NISAのメリットを最大化するには、購入した銘柄を長期保有することが望ましいと言えます。「急いで現金化したい事情がある」「今後回復する展望が見込めない」という理由がない限り、急いで損切りする必要はないかもしれません。

つみたて投資枠で購入できる金融商品は金融庁の基準を満たした投資信託に限られていますが、成長投資枠では日本株式や米国株式をはじめとした個別株式、ETFなどにも投資できます。
どの金融商品を購入する場合でも、基本的には長期投資を前提として考えるとよいでしょう。

【出典】
金融庁「NISAを知る」
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/index.html

NISAで損失が出たときの対処法

NISAと書かれた積み木とグラフ

実際に投資をして損失が出てしまうと、不安や焦りを感じてしまうものです。以下では、NISAで損失が出たときの対処法を解説します。

金融商品をそのまま持ち続ける

購入した金融商品に損失が発生して含み損を抱えても、そのまま持ち続ける選択肢があります。

金融商品の値動きは、長期的に見ると振れ幅が小さくなるのが一般的です。一時的に損失を抱えても、長期的な視野を持ちコツコツと積立購入を継続するのがよいでしょう。短期間で売買をするよりも長期保有を前提とし、一定の金額を投資し続けたほうが安定的に収益を得られる可能性が高いのです。また、投資期間が長くなるほど元本割れのリスクが軽減される効果があるといわれています。

もし損失が発生してもすぐに損切りをせずに、なぜ値下がりしているのか、原因を確認しましょう。原因が一時的なものであれば、長期的に見れば回復すると見込まれます。
さらに、長期投資には複利効果が大きくなりやすいというメリットがあります。複利効果とは、投資で得た収益を元本に加えて運用することで得られる利益です。

たとえば、100万円を年利5%で運用すると1年間の利益は5万円です。利益の5万円を投資元本に追加して105万円を運用し、次の1年も年利が5%だと仮定すれば、翌年度には110.25万円になります。
運用期間が長いほど得られる複利効果も大きくなります。損失が出た時に慌てて損切りすると、機会損失をこうむるおそれがあります。

【出典】
金融庁 「NISAリーフレット・ガイドブック」
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa2024/guidebook_202307.pdf
一般社団法人全国銀行協会「投資のリスクを減らすポイントは「分散投資」と「長期投資」」
https://www.zenginkyo.or.jp/article/tag-c/3781/
一般社団法人投資信託協会「第3回 長期投資のメリットとは」
https://www.toushin.or.jp/investmenttrust/specialist/vol-03/
財務省中国財務局「複利効果について」
https://lfb.mof.go.jp/chugoku/kinyusyouken/kin3/fukurikouka.html

同じ商品を買増しする

購入した金融商品が値下がりしている理由が一時的なものであれば、同じ商品を買い増しする選択肢も検討しましょう。値下がりしていれば以前の購入額よりも安く購入できる状況なので、平均取得コストを下げられるメリットがあります。

たとえば、リーマンショックやコロナショックのように、株式が暴落する事態に見舞われる時期は、買い増しするタイミングとして有力です。株式や投資信託が投げ売りされ、安く購入できるタイミングと言えるでしょう。
将来的に市況が回復すると、平均取得単価が下がっている分、得られる利益が大きくなる可能性があります。そのため、下落相場や暴落相場に巻き込まれたときは、買い増しを検討してもいいかもしれません。

ただし、投資先企業の状況や社会情勢によっては損切りを検討したほうがよいケースもあります。たとえば、業績が極端に悪化している企業や不祥事が続いている企業は、株価がさらに下落するおそれがあります。
単に「自分が購入したときよりも安いから」という理由だけで判断するのではなく、買い増しをするタイミングにおいて「今後回復する見込みがあるか」「現在の価格で購入する価値があるか」を判断しましょう。

押さえておきたいNISAのデメリット

ローソク足と初心者マーク

NISAは投資で得られた利益が非課税になるメリットが強調されがちですが、デメリットや注意点も存在します。
以下で、投資をするにあたって押さえておくべきNISAのデメリットを解説します。

ほかの口座との損益通算や損失の繰越控除ができない

NISA口座で損失が発生しても、税務上は存在しないものとして扱われるため損益通算や繰越控除ができません。
損益通算とは、複数の証券口座の間で発生した損益を相殺する仕組みです。たとえば、A証券で10万円の利益が出てB証券で10万円の損失が発生した場合、損益通算をすると利益がゼロになります。これにより、A証券で発生した利益に対する税金はかかりません。

また繰越控除とは、損益通算をしても控除しきれない損失を、最長3年間にわたって利益と通算できる制度です。
損益通算と繰越控除を利用できるのは課税口座(特定口座や一般口座)に限られ、NISA口座では適用されない点に注意しましょう。

【出典】
国税庁「No.1535 NISA制度」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1535.htm

開設できる口座は1人につき1口座

NISA口座を開設できるのは1人につき1口座です。複数の金融機関でNISA口座は開設できません。
「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を別々の金融機関で利用することもできません。長期的に利用する前提で慎重に金融機関を決めましょう。

利用する金融機関を決める際には、取り扱っている投資商品の数や手数料を比較することをおすすめします。
なお、年単位で利用する金融機関を変更することは可能です。自分にとってよりよい金融機関が見つかったら、乗り換えを検討しましょう。

【出典】
金融庁「NISAを知る」
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/index.html

保有中の商品をNISA口座に移管することはできない

すでにNISA口座以外の課税口座で保有している金融商品を、NISA口座に移管することはできません。
旧制度のつみたてNISAや一般NISAを、NISAのつみたて投資枠や成長投資枠に移管することもできません。従来のNISAと現行のNISAは別の制度なので、それぞれの口座内で運用することになります。

【出典】
金融庁「よくある質問」
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/question/

NISA口座で損失が出ても慌てて損切りする必要はない

NISAの活用方法はさまざまですが、損失が発生しても慌てて損切りする必要はありません。長期的には価額が回復して利益を得られる可能性があり、長い目で見ることも大切です。
実際にNISAの口座開設をしたら、自分の投資目的やリスク許容度に合わせて、商品や運用方法を選ぶ必要があります。判断に迷うことがあれば、お金のプロに相談することも検討しましょう。

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